ソニーなど216団体、政府に「1.5度目標整合」求める

AI要約

気候変動イニシアティブは日本政府に1.5度目標に整合した目標設定を求める書簡を送った。石炭火力の廃止などを要求する216団体の支持を得た。

JCIは政府にNDCや第7次エネルギー基本計画を1.5度目標と整合させるよう要請。再エネ導入割合や2035年の石炭火力廃止を明確化する。

経済産業省は新しいエネルギー基本計画について議論を進めており、国民の意見を広く募集している。

気候変動イニシアティブ(JCI)は8日、政府に対して1.5度目標に整合した目標設定を求める書簡を岸田首相はじめ各省庁大臣に送った。書簡では目標実現のため石炭火力の廃止などを求める。ソニーなど東証プライム上場企業を含む216団体が賛同した。24年度は35年NDCや第7次エネルギー基本計画の策定を控えている。(編集部・萩原 哲郎)

JCIの末吉竹二郎・加藤茂夫両共同代表は「216もの非政府アクターが、初めて自らの名称を明らかにした上で、2035年と言う年限を明示して石炭火力の廃止を求めていること」について「特筆すべきこと」と強調。「日本の気候政策の転換を求める国内のステークホルダーの声はティッピング・ポイントを迎えつつある」とした。

今回の政府への要請のなかで求めるのは、NDCや第7次エネルギー基本計画を1.5度目標と整合させることだ。具体的には、NDCは「2013年比66%以上」と、第7次エネルギー基本計画での「2035年に向けた石炭火力廃止の明確化」や「エネルギー効率改善と再生可能エネルギー導入の最大化」をセットで求める。

再エネ導入割合で掲げる数字は35年度に「65~80%」だ。政府が第6次エネルギー基本計画で示した2030年度目標は再エネの割合は36~38%で大きく開くが、JCIは「日本には再生可能エネルギー設備容量3倍を実現する十分なポテンシャル」があると強調した。

経済産業省はすでに新しいエネルギー基本計画について議論を始めており、5月15日には資源エネ庁HP内に「意見箱」を設置。パブリックコメント実施前までの期間をめどに、国民から広く意見を募集する。