「猛暑日知らずの街」と「涼しい街」 冷房いらず?窓開けて寝ると…寒くて起きる

AI要約

各地で猛暑が続く中、千葉県の勝浦市は涼しい気候で知られている。

勝浦市では移住者が増加し、朝市も活性化している。

海からの冷たい風が涼しさをもたらす勝浦市の気候は、他の地域と比べて特異的である。

「猛暑日知らずの街」と「涼しい街」 冷房いらず?窓開けて寝ると…寒くて起きる

 各地で猛暑日が続出しています。8日、東京・府中市では最高気温39.2℃を記録し、観測史上1位の暑さとなりました。こうした猛烈な暑さが関東で続くなか、「100年以上猛暑日がない街」千葉県勝浦市の夏はどうなっているのでしょうか。

 8日、全国で最も暑くなったのは、和歌山県新宮市。観測史上最高の39.6℃を記録しました。

 東京都心では、36℃と今年一番の暑さになりました。東京・府中市では最高気温39.2℃と、今年の都内最高気温になりました。

 練馬では、最高気温38.1℃を記録。この猛暑で、鮮魚店からは悲鳴が聞こえてきました。

丸川水産 渡部正和店長

「(これまでは)表にこう下に氷ひいて、切り身だとか出すんですけども。ちょっとこの状態(暑さ)ですんで、品物はまだ出せないですね」

 暑さのため、日中店先には鮮魚を並べられない状態になっていました。

 各地で、身の危険を感じるほどの暑さが襲う中…。観測史上一度も猛暑日を記録したことがない100年以上“猛暑日知らずの街”千葉県勝浦市。

勝浦市民

「きょうは涼しいと思います。すごく風が心地いいので気持ちがいい」

 勝浦市の8日の最高気温は31.1℃。とはいえ、関東の他の地点と比較すると、勝浦市だけが他よりも5℃近く低いのが分かります。

勝浦市 企画課 喜瀬知有良さん

「東京から近いところ、関東とか千葉県内で言ったら勝浦が涼しいと思っています」

 「涼しさ」にプライドを持つ勝浦市。実際、地元の方は…。

勝浦市民

「我々は扇風機をちょっと回すかな。エアコンは使ってない」

勝浦市民

「(車で)勝浦を出る時は、エアコンが好きじゃないので窓を開ける。勝浦を出て10分、20分すると窓を開けていられない」

 さらに、近年涼しさで注目される勝浦市には、変化があったそうです。

喜瀬さん

「この5月、6月は、去年の同じ月と比べ、約2倍くらい相談が来ています。一番多いのは『涼しいですか?』っていう。『今、自分が住んでいる所がとても暑くて、熱中症にいつもなってしまうから勝浦に移住したいんだ』って」

 勝浦市で有名な朝市では、移住者による出店が増加。

かつうら朝市の会 江沢修会長

「(移住者が増えて)朝市も活性化したし、人口も若返ってきたというかね。お客さんも自然と、その世代の人たちが増えてきた」

富永優子さん(30)

「移住してきて、2年くらい経ちますね」

 2年前に東京から移住してきた女性が売っているのは「おでん」です。

富永さん

「おでんは夏のほうが売れる。コンビニで夏はおでんをやってないから、食べに来てくれる人もいらっしゃいます」

 「涼しい街」とはいえ、7日の最高気温は28.5℃。そんな中、おでんを食べるお客さんは…。

埼玉からの観光客

「(おでんを)埼玉では食べようとは思わないです」

「思わないね」

「ここならではですね」

 なぜ、勝浦市は他の地域よりも涼しいのでしょうか?

喜瀬さん

「勝浦市は海がありまして、その深く冷たくなった海から冷たい空気が風に乗って陸に来ることで、涼しいと言われています」