「血は水よりも濃い」山上徹也被告の伯父が語った元弁護士としての思い、親族としての「葛藤」

AI要約

元首相安倍晋三が参院選中に銃撃されて死亡から2年。殺人罪で起訴された山上被告の叔父が公判への思いと葛藤を語る。

山上被告の未来のサポートに専念する叔父は「血は水よりも濃い」と語り、弟(山上被告の父)との絆を強調。

裁判に関して叔父は「法律は正義の小窓である」とし、正義がゆがんでいることを問題視する姿勢を示す。

 安倍晋三元首相(当時67歳)が参院選の街頭演説中に奈良市で銃撃されて死亡した事件は、8日で発生から2年。

 殺人罪などで起訴された山上徹也被告(43)の父親の兄で元弁護士の伯父が日刊スポーツの取材に応じ、元弁護士としての公判への思い、親族としての「葛藤」を語った。

 叔父は事件後、山上被告が受刑及び出所した場合のサポート体制を作ることに専念してきた。事件から2年。これまで繰り返してきた言葉を口にした。

 「血は水よりも濃いからね」

 これまでの思いが変わることはない。「私は血族やから『何かしてくれ、何か助けてくれ』って頼まれたら、なんでもしますよ」。山上被告が4歳のときに亡くなった父親は、自身の弟だ。弟の面影が浮かぶ。大阪拘置所に勾留されている山上被告には「徹也にはちゃんと、『血は水よりも濃い』ということは手紙に書いて送っている」という。山上被告の妹、そして世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額の献金をし、家族の生活を困窮させた母親にもそのことは伝えてある。山上被告にとっては、母親はどこまでいっても母親だからだ。

 7月3日に第4回公判前整理手続きが開かれたが、年内には手続きは終わらず、初公判は来年になるとみられる。

 最近、思い出す言葉がある。かつて最高裁判所の司法研修で教えられた金言だ。「法律は正義を垣間見る小窓にすぎない。窓の形は、どのようにでも作れる」。叔父はこう語る。「裁判は法律でやるものではないという概念」。法より上位にあるのが「正義」という教えだ。

 「上位にある正義は永久に変わらない。小窓というのは形がコロコロと変わる。法律は正義を垣間見る小窓にすぎない」

 叔父は最後にこう語った。「正義がゆがんだからあかんってことやな」-。

 【松浦隆司】