叔父殺害の男に無期懲役 判決前の接見で「逃げる必要ない」と訴えるも…裁判長は「冷酷非道な動機」 福岡“保険金殺人”

AI要約

福岡・うきは市で叔父を車でひいて殺害し、保険金をだまし取った罪に問われていた男に対し、福岡地裁は無期懲役の判決を言い渡した。

判決を受けたのは、会社役員の松成英一郎被告(57)だ。

判決公判で松成被告は無罪を主張し続けてきたが、検察側は強盗殺人に匹敵する行為として無期懲役を求刑していた。

叔父殺害の男に無期懲役 判決前の接見で「逃げる必要ない」と訴えるも…裁判長は「冷酷非道な動機」 福岡“保険金殺人”

福岡・うきは市で叔父を車でひいて殺害し、保険金をだまし取った罪に問われていた男に対し、福岡地裁は無期懲役の判決を言い渡した。

判決を受けたのは、会社役員の松成英一郎被告(57)だ。

判決によると松成被告は2021年4月、うきは市の駐車場で叔父の西村一敏さん(当時64)を車で何度もひいて殺害。

その後、事故で死亡したかのように装い、西村さんにかけてあった死亡保険金約1500万円をだまし取った。

これまでの裁判員裁判で一貫して無罪を主張してきた松成被告は、判決公判を前にした6月20日、福岡拘置所で取材記者の接見に応じている。

記者「なぜ、接見に応じた?」

松成被告「やっぱり、やましいことはやってないので。逃げる必要がないからです」

記者「西村一敏さんの死は事件?事故?」

松成被告「事故ですね。やってないことを認めろとは僕の生き様としてはないんですよね。57年生きてきた身としてやってないことを『松成、お前がやっているだろう!』と見られて、亡くなった西村さんにも失礼だと思うんです」

「西村さんの死は事故」「やっていないことを認めるのは、僕の生き様ではない」などと訴えていた松成被告。これに対し検察側は「人の命を金に換える犯行で、強盗殺人に匹敵する」などとして無期懲役を求刑していた。

6月28日、福岡地裁で開かれた判決公判で鈴嶋晋一裁判長は、携帯電話の位置情報や現場近くの防犯カメラの映像などから「直接的な証拠はないものの諸状況を総合すれば、被告以外が犯人とは考えられない」として松成被告が犯行に及んだと認定。

その上で「何の落ち度もない被害者を狙った冷酷非道な動機に酌むべき点はない」と述べ、松成被告に対し、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

判決文の読み上げをじっと聞いていた松成被告は、終了後、傍聴席に向かって「ありがとうございました」と声を発し、法廷をあとにした。

弁護側は、即日控訴している。

(テレビ西日本)