停電長引く能登支援で感じた「いざという時の電源」問題。Starlink+ポータブル電源でスマホが使えるように

AI要約

能登半島地震から半年経過し、現地の復旧作業は難航しており、停電も長期化している。

ポータブル電源メーカーのジャクリが能登半島地震での支援活動を行い、被災地にポータブル電源とソーラーパネルを提供した。

急な支援要請に対応し、ポータブル電源を充電して運び出すなど、迅速な行動をとった。

停電長引く能登支援で感じた「いざという時の電源」問題。Starlink+ポータブル電源でスマホが使えるように

能登半島地震から半年。

長期にわたる道路の寸断であらゆる復旧作業が難航し、現地はいまも被災直後のような光景が広がっている。

停電も予想以上に長期化した。東日本大震災や熊本地震では1週間以内に9割以上が復旧したが、能登半島地震では約1カ月。石川県内の停電がほぼ復旧したのは、震災から2カ月半後の3月中旬だった。

そうしたなか、防災用品として脚光を浴びているのがポータブル電源だ。

能登半島地震で製品を無償提供したアメリカのポータブル電源メーカー、Jackeryの日本法人Jackery Japan(以下、ジャクリ)に、支援の概要と今後の課題について聞いた。

2024年1月3日夜。ジャクリのポータブル電源とソーラーパネルを積み込んだバンが、東京・新橋から能登半島に向かって出発した。

「千葉にある委託先の物流拠点が正月休みだったので、オフィスの会議室にあったサンプルに目一杯充電して車に運び込みました」

ジャクリのマーケティング本部ユーザーマーケティングスペシャリストの鈴木達也さんは、当時をそう振り返る。

ポータブル電源は一般的にアウトドア用品と見なされるが、ジャクリは防災用品としての役割にも着目。防災イベントなどに積極的に出展し、認知度向上に力を入れてきた。

そうした経緯もあり、発災間もないうちから支援について検討。1月3日夕方、公式サイトとSNSで、停電中の施設や避難所に自社のポータブル電源とソーラーパネルを無償提供すると発表し、支援を求める人々に呼びかけた。

「その直後から支援依頼のメールが届き始めた」と、マーケティング本部コンテンツディレクターの鈴木広介さんは話す。

「地震直前の12月、小笠原の父島で開催されたジャズイベントに出展したんです。その実行委員長から連絡が入り、能登から東京に来ていた実行委員の方が能登に車で帰る準備をしていると。その車にポータブル電源とソーラーパネルを積んでもらうことになったんです」(鈴木広介さん)

連絡を受け、達也さんと広介さんは急遽、新橋の旧事務所(現在は晴海に移転)に出社。車が事務所に到着するギリギリまで充電し、数台のポータブル電源とソーラーパネルを送り出した。