負け続け自民どうなる?東京都議補選告示 萩生田氏の地元八王子など、結果は岸田政権にも影響

AI要約

東京都議補選は28日に告示され、自民党の結果に加え岸田文雄首相の命運も左右する重要な選挙となっている。

補選が行われる9選挙区には派閥パーティー裏金事件の舞台となった地盤も含まれ、今後の選挙戦略に影響を与える可能性がある。

自民党は過去の連敗から再度自党勢力を盛り返すため、特に注力しており、都議補選での結果が都議会の勢力図にも大きな影響を与える見通し。

負け続け自民どうなる?東京都議補選告示 萩生田氏の地元八王子など、結果は岸田政権にも影響

 東京都議補選は28日、都内9選挙区で告示された。派閥パーティー裏金事件や岸田文雄首相の政権運営への国民の不信感から、最近の選挙で負け続けている自民党にとって、結果は党勢に加え、今秋の自民党総裁選再選出馬が焦点となっている岸田首相の命運も左右しかねず、結果に関心が注がれている。

 今回補選が行われる9選挙区は、江東区、品川区、中野区、北区、板橋区、足立区、八王子市、府中市、南多摩。自民党はこのうち8選挙区に候補者を擁立した。結果への関心が注がれる一因は、裏金事件の舞台となった安倍派の元幹部の地盤が含まれているためだ。板橋区は下村博文元文科相、八王子市は萩生田光一都連会長の地元。2人は裏金問題を受けて党員資格停止1年、党役職停止1年の処分を受けており、ある自民党関係者は「今回もし負けたら、次の衆院選も厳しくなるのではないか」と危機感を強める。

 中野区、北区、板橋区では、小池百合子知事が特別顧問を務める都民ファーストの会の候補者とも対決する構図となるが、自民は東京都知事選(7月7日投開票)では都民ファ同様に小池氏を支援しており、「ねじれ都議補選」ともなる。ただ、自民都連の間には「都知事選よりも、都議補選で仲間を増やす方が大事」と話す関係者もおり、構図は複雑だ。

 自民はこのところ東京の選挙で負け続けている。昨年9月の立川市長選や10月の東京都議補選(立川市)、11月の青梅市長選で敗れた。12月の江東区長選は、小池氏に近い候補を推薦して勝利したが、今年4月の目黒区長選では推薦候補、5月の東京都議補選(目黒区)では公認候補がそれぞれ敗れた。今月2日の港区長選も自民、公明推薦で6期目を目指した現職が、無所属新人の元区議に敗れている。

 東京以外でも、4月の衆院島根1区補選でも公認候補が敗れ、5月19日の小田原市長選、同26日の静岡県知事選でも推薦候補が敗れた。岸田文雄首相のおひざ元、衆院広島1区に編入された広島県府中町長選でも推薦候補が敗北している。 一方、都議補選の結果は、都議会の勢力争いにも影響する。現在は第1会派を自民(27人)が握り、都民ファが第2会派(25人)で続く。現在の都議会では、第3会派の公明(23人)も合わせて小池氏と協力関係にあるとはいえ、水面下では激しい勢力争いとなっている。

 9つの都議補選は都知事選と同じ7月7日に投開票される。