現役職員「2万請求も使ったのは1万」食費を過大徴収…障害者施設“事業停止”へ

AI要約

『恵』が障害者向けグループホームで食材費を過大に徴収し、不正な報酬を請求していた問題が発覚。愛知県と名古屋市が厳しい処分を下す。

愛知県は13のグループホームで不正行為が行われており、1億8600万円を超える返還請求が発生。一部施設には利用者受け入れを停止する措置も。

名古屋市も4つの施設に指定取り消し処分を下し、約9200万円の不正請求が明らかに。利用者からの報告でも、食事内容に不満がある声が上がる。

現役職員「2万請求も使ったのは1万」食費を過大徴収…障害者施設“事業停止”へ

全国12都県で、『ふわふわ』という障害者向けグループホームなどを展開する『恵』が、利用者から食材費を過大に徴収するなどしていたとして、愛知県と名古屋市が26日、最も重い処分を下しました。

現役職員(4年前から勤務):「(Q.利用者に請求してたのは)ひとり2万、食費として2万。(Q.使っていたのは)20人いて20万なんで、大体、倍ぐらいは。(実際は)ひとり1万分ぐらいの計算。最初からそんな感じだったと思う。(Q.最初からそんな感じというのは)お金は二十何万でやりくりしてという感じだった。ずっとそのまんまの感じで、僕自身も入ってからも」

愛知県・大村秀章知事:「極めて悪質、極めて強い悪意を持って意図的に行われた。それも組織的に行われたと」

愛知県によりますと、県が所管する13のグループホームで、利用者から食材費を過大に徴収。また、職員の数を水増しして、報酬を不正に請求していました。さらに、利用者が外泊して不在にもかかわらず、夜間に当該利用者への支援を行ったとして、夜勤職員加配加算が架空に請求されていました。

県は、1カ所を10月1日で指定取り消し、残り12カ所については、3カ月から1年間、新規での利用者受け入れを認めない、一部効力停止としました。

愛知県・大村秀章知事:「県の所管の13事業所だけで1億8600万円。返還請求の予定額が2億6000万円を超える。うちの13(事業所)だけでですよ」

名古屋市が所管するグループホームは6カ所。そのうちの4つのグループホームに対し、指定取り消し処分を下しました。

愛知県内の別の施設の利用者。とにかく、食事がひどかったそうです。

息子が入所の両親:「体重が入所したときは、70キロちょっとあったが、今は63か64キロくらい。7~8キロやせた。本人はずっと(食事が)少ないと言っていました。不満を言ってしまうと行き場がなくなるかなと思って、我慢しなさいと。(Q.返金はあった)去年末に振り込まれていた。(Q.説明は)何もない。少ない食費で、何を食べさせていたのか教えてほしい。もうお金のことしか考えてないのかなって」

『恵』から名古屋市への不正請求は約9200万円。加算金を加えた返金額は、約1億2800万円に上ります。