東京女子医大、子女枠入試の推薦面接で寄付打診…同窓会理事から

AI要約

東京女子医科大学が行った推薦入試で、同窓会組織の理事が寄付を打診し、面接で質問をしたことが発覚。入学に関する寄付は文部科学省によって禁止されている。

入試は至誠会の会員か準会員の子女を対象にし、推薦された生徒が試験を受ける仕組みだった。推薦審査では寄付の意思が問われ、審査後、親族が寄付を行っていた。

寄付に関する記載があった生徒の親族は、至誠会と大学に寄付を行い、入学後にも大額の寄付を納めていた。

 東京女子医科大(東京都新宿区)が医学部卒業生の子女らを対象に行ってきた推薦入試で、同窓会組織「至誠会」の理事が推薦する生徒を選ぶ面接の場で、保護者らに寄付を打診したケースがあることが、同大関係者への取材でわかった。理事が作成した採点票に、寄付の意思を確認した記載があり、面接後に生徒の親族が同会と大学にそれぞれ寄付していた。文部科学省は入学に関する寄付金の収受や募集を禁じており、同大に報告を求めている。

 問題の入試は、至誠会の会員(卒業生)か準会員(在校生)が3親等以内にいる子女らを対象に2018年に始まり、同会の審査で推薦された生徒が、同大の試験を受けることができる仕組みだった。

 至誠会は毎年、大学に推薦する生徒を決める審査を9月下旬に実施。18年は4人が申請し、志望動機書や面接の内容で審査が行われた。面接には生徒の保護者ら親族も同席した。

 同大関係者によると、18年9月末に行われた面接は、大学理事を兼務していた至誠会理事3人が担当。各理事の採点票には面接でのやり取りが記されていた。理事の1人は、「面接での質問・確認事項」として、「校舎の建築中で資金不足である。協力して頂けますか」と記載。「はい 協力したい」と回答を得たと書いていた。別の理事も、この生徒の採点票に「寄付等 協力を惜しまない」と記入していた。

 18年の推薦審査では、申請した生徒4人全員が「大学創設者に関する質問に答えられなかった」として、10月下旬に再審査が行われた。その結果、4人とも推薦され、同大の試験にも全員が合格した。

 採点票に寄付に関する記載があった生徒の親族は、1回目の審査直後に至誠会に10万円を寄付。入学した19年4月には、同大に500万円の寄付金を納めていた。

 20年9月に実施されたある生徒への面接の採点票にも、「至誠会・女子医大への貢献について」という項目に、「寄付の文言あり」と寄付に関するやり取りをうかがわせる記載があった。