【プロ3年目の羽生結弦に迫る】“無”から“いいもの”を作るのは難しく楽しい、自らが語ったその力の源泉とは?

AI要約

羽生結弦さんがプロスケーターとして活躍し、進化を続けている様子について述べられた記事。

羽生結弦さんの単独インタビューから、彼のクリエイティブな進化や未来についてのコメントが紹介されている。

羽生結弦さんが新たな作品を生み出す原動力や、今後の展望について触れられている。

【プロ3年目の羽生結弦に迫る】“無”から“いいもの”を作るのは難しく楽しい、自らが語ったその力の源泉とは?

 「五輪2連覇」の偉業を果たし、プロスケーターという新たな世界へと飛びだした羽生結弦さんがこの2年で見せてきた進化はいまだ限界が見えない。10万人以上が見守った公開練習SharePractice(シェアプラクティス)、スケート界では前例のない東京ドーム公演、自身初となる単独ツアー公演、そして被災地でのショーに加え、自らが中心的な役割を担うファンタジー・オン・アイスの今年の演技では「ガンダム」の世界観を宇宙空間と化したリンクで表現した。

 フィギュアスケートという枠を超えた羽生結弦作品は、どのように生み出されていくのか。5月11日発売の「Quadruple Axel 2024 羽生結弦 SPECIAL」(山と溪谷社)で、筆者が担当した単独インタビューから内容の一部を抜粋、編集しつつ、ショーを進化させていく原動力に迫った。

 「本当にいまはありません」

 羽生さんの言葉に一瞬、驚かされた。

 3月11日に仙台市内のホテルで行われた単独インタビュー。羽生さんは座長を務め、被災地から希望を届けるアイスショー「notte stellata 2024」の3日間の公演を終えた直後にもかかわらず、柔和な表情でいくつもの質問に向き合ってくれた。

 疲れを見せることなく、こちらの意図をくみ取り、投げかけた質問に「いいですね」「(聞いてもらえて)うれしいです」とインタビュアーの気持ちを乗せてくれながら、次々と印象的な言葉を紡いでいく。

 2月に自身初のツアー公演となった「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd ”RE_PRAY” TOUR」の横浜での千秋楽が終わったばかりだったが、次々とサプライズと感動で観客の度肝を抜く羽生さんの“次回作”への期待は、早くも高まっていた。羽生さんはどんなプランを温めているのか。インタビューでも、そのヒントを探ろうとした。冒頭の言葉は、そんな羽生さんに、単独公演やツアーのこれからについて聞いたときの答えだった。

 すぐにその意図を教えてくれた。

 「本当にいまはありません。そのことで、自分がいま、クリエイティブな場所に身を置いているんだなと、改めて実感もできています。何もないからこそ、つくらないといけないですし、作り出していくからこそ、難しさはもちろんありますが、楽しく、面白いのだと思います」