梅雨に急増する“屋根修理詐欺” より巧妙…実在企業、代表者名乗り信用させる
梅雨の時期に増加する屋根修理詐欺の手口を紹介。男が住人を心配させ、不必要な作業を請求しようとする様子が明かされる。
業者が住人を訪問し、屋根の問題を捏造して大規模な修理を勧める詐欺が急増。特に梅雨時期に被害が増えている。
高齢者を狙う詐欺業者の手口が巧妙化しており、消費者は警戒が必要。家族や知人に相談することで被害を回避できる。
雨が続く梅雨の時期に多くなるのが屋根の修理詐欺です。番組は職人を名乗る男が巧妙なトークで不安をあおる映像を入手しました。
男
「こんにちは」
住人
「はい?」
男
「よかった、いらっしゃって!」
横浜市内の住宅で、インターホンを鳴らしたのは30代くらいの男。頭に白いタオルを巻き、作業着風の格好です。
男
「ここ現場の通り(道)で、私、職人なんですけど、お母さん、結構言われると思うんですけど、ロックがかかってるじゃないですか。瓦の。瓦のロックがあるじゃないですか。あれって、いつ頃つけられたんですか?」
住人
「うち?わからない」
男
「えっ?ロックって全部かかっちゃってるので、ちょっと(屋根が)傾いちゃってるんですよ。ちょっと危なかったので、僕も別に…職人なんですけど、(リフォーム)やってほしいでなく、(危険な)場所だけ見てほしいんですよ。場所だけちょっと危ないところがあったので」
「瓦が傾いている」ことを、心配して伝えに来たというのですが、「詐欺ではないか」と問いただすと、男は慌てて逃走。屋根を別の業者に確認してもらいましたが、異常はありませんでした。
架空の工事を作り出し、法外な費用を請求する“屋根修理詐欺”とみられます。
高齢の男性に話し掛ける、白と黒の作業着に地下足袋(じかたび)をはいた人物。この男もまた屋根修理詐欺を狙っていたとみられます。
ツボイ塗工
坪井邦夫代表(52)
「作業着風の上下、地下足袋風の服装で、用意周到だなと」
写真をSNSに投稿し屋根修理詐欺に注意を促しているのは、都内の外壁塗装の専門業者です。
この業者によると、詐欺の手口とは自宅を突然訪問。住人に「屋根が壊れていて修理が必要です」と声を掛け、屋根に上ると、自ら壊し大幅な修理が必要な状況にし「屋根をふき替えましょう」と大規模な工事を取り付けるというものです。
国民生活センターに寄せられる屋根修理詐欺に関する相談件数は、この5年間で4倍以上に増えています。特に注意が必要なのが…。
坪井代表
「この時期が一番多いのかな、屋根に不具合が生じると心配になる時期なので、やっぱりそこを突かれていると思う」
屋根修理詐欺の被害は、雨漏りが心配になるこの時期、特に増加すると言います。詐欺業者が現れたという都内有数の高級住宅街を取材すると、このような声が聞かれました。
住人の女性(80代)
「来るときはもう違う人なんですけれども、1週間に1回くらい(来る)。ひどいときは」
近くに住む80代の女性は、たびたび出没する業者に不安を感じていました。
頻繁に現れる“屋根修理詐欺業者”。住人を家の外まで連れ出して話をするといいます。
住人の女性
「これじゃあすぐに雨漏りするようになりますよと、脅かすように(言う)」
幸い女性は親族や知人に相談し、詐欺と判断。被害に遭わずにすみましたが、屋根修理詐欺の手口はより巧妙になっています。