88億円の観光施設に反対署名5900人分 財政不安訴え 福岡・大川

AI要約

福岡県大川市が2027年に開業を予定する観光拠点施設「大川の駅」に反対する市民団体が署名を提出した。計画には財政不安が指摘されている。

施設には「道の駅」「川の駅」を併設し、家具の販売も行う計画で、総事業費は88億円。反対派は費用過大を主張し、市は計画を進める考えを表明している。

市民団体は水道管更新や高潮被害の懸念を述べ、市長は少子高齢化に対応する必要性を強調している。

88億円の観光施設に反対署名5900人分 財政不安訴え 福岡・大川

 福岡県大川市が同市大野島に2027年度の開業を予定する観光拠点施設「大川の駅」(4・3ヘクタール)に関し、市民団体「市の将来を考える会」は13日、計画に反対する5900人の署名を市に提出した。財政不安を訴えている。

 「大川の駅」には有明海沿岸自治体の海、山、川の幸を売り出す「道の駅」「川の駅」を併設し、市の基幹産業である家具も売り出して福岡、北九州両都市圏に匹敵する経済圏域作りを目指す計画だ。3月議会の市の説明では、開業後15年の維持運営費や関連工事を含めると総事業費は88億円にのぼる。

 これに対し「考える会」は2月から「2期工事も含めれば100億円を超えるのではないか。過大だ」として反対署名を集め、この日、市役所を訪ねて提出した。市は「大川の駅整備振興課」職員が預かった。

 「考える会」中心メンバーの市内の会社役員、江藤義行さん(76)は「人口減少が進む中、水道管更新、し尿やごみ処理とコンパクトにまとめねばいけない。10億円でも過大と思う。筑後川の三角州である大野島への立地は高潮被害も心配だ」と主張する。

 一方、倉重良一市長は同日の記者会見で「少子高齢化が進み、この規模の投資をしなければ街の元気が失われていく。事業費が100億円を超えることはなく、市民サービスに影響が出るレベルとは思っていない」と予定通り計画を進める考えを語った。高潮や津波対策として予定地に盛り土もする。

 大野島は筑後川河口の砂州で、北側は大川市、南側は佐賀市。【降旗英峰】