役所の「目安箱」に寄せられた40件への回答怠る、2年以上放置のケースも…熊本・人吉市が謝罪

AI要約

熊本県人吉市役所が、市民の意見・要望を受け付ける「ひらめき箱」に投函された計約40件への回答を怠っていたことがわかった。

2年以上放置されたケースもあり、市は職員の処分も含めて今後の対応を検討している。

市によると、ひらめき箱は2000年頃から運用されており、内容は毎月2回確認され、関連部署との回答が準備される。

未回答分は多くの内容があり、市民からの指摘を受けて調査が行われた結果、問題が判明した。

市は、回答と謝罪文を希望者に送付し、遅滞ない公開に努めるとしている。

 熊本県人吉市役所が、市民の意見・要望を受け付ける「ひらめき箱」に投函(とうかん)された計約40件への回答を怠っていたことが10日、わかった。2年以上放置されたケースもあった。市は「詳細な理由は調査中」としており、職員の処分も含めて今後の対応を検討している。

 市によると、ひらめき箱は市役所1階に設置されており、2000年頃から運用が始まった。箱の中身は市地域コミュニティ課の職員が毎月2回開けて確認。内容に応じて関係部署と回答を準備し、約1か月~半年程度でホームページ(HP)上に掲載している。

 未回答分は「歩行者用の信号機を設置してほしい」「医療費の助成手続きをオンライン化できないか」といった内容で、22年5月~24年3月に寄せられていた。「回答がHPに掲載されていない」との指摘もあった。

 5月に回答が滞っていることを市民から指摘されて調査したところ、22年度の途中から各部署への問い合わせを一部、怠るようになっていたことが判明した。さらに、23年度分は各部署への問い合わせを一切しておらず、すべての意見に回答していなかった。担当者の上司も催促するなどの必要な措置を取らなかった。

 市は、希望者には回答とともに謝罪文を郵送し、6月7日にHPにも掲載した。井福浩二市民部長は「市に対する信頼を失墜させるもので、心よりおわび申し上げる。今後は遅滞ない公開に努める」と話した。