草津町長「通り魔にあったようなもの」 虚偽の性被害告白に今も憤り

AI要約

群馬県草津町で起きた虚偽の性被害告発事件について、被害者となった黒岩信忠町長がインタビューで語った内容が明らかになった。

新井氏の録音がなかった場合、冤罪が晴れなかった可能性が高かったという事実が明らかになった。

新井氏の虚偽告発により草津町がおとしめられ、住民投票で解職請求が行われ、新井氏は失職した経緯が語られた。

草津町長「通り魔にあったようなもの」 虚偽の性被害告白に今も憤り

草津温泉で有名な群馬県草津町で起きた虚偽の性被害告発事件。「加害者」扱いから一転して「被害者」となった黒岩信忠町長(77)が3時間にわたるインタビューに応じた。

語られたのは、事実があやふやな状況で人を断罪する社会の恐ろしさだった。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)

ーー逆に新井氏の録音がなかったらどうなっていましたか?

当時、新井氏から録音を取られていることは知りませんでした。民事訴訟の裁判で新井氏が虚偽だと認めざるを得なかったのは、逆にその盗聴テープが動かぬ証拠になったからです。もしテープがなければ冤罪が晴れませんでした。名誉毀損罪も虚偽告訴罪もうやむやになったでしょうね。だけど、今回は決定的な証拠がある。だから逃げられなかった。これほど男と女の性被害の問題がはっきりする事例は珍しいと思います。

性交渉に対する同意があったかなかったかが問題になることがありますが、私の場合はそんな問題ですらありません。はなから指一本も触れていません。しかし、当初の報道では、私の言うことは全然聞かれませんでした。一方的でした。ひどい世の中だなと思いました。今は裁判でも結論が出ましたが、ほとんど誰も謝りません。『しんぶん赤旗』だけは編集幹部が東京から謝りにきたうえで謝罪記事も掲載しました。

ーー告発をした新井氏に対して草津町は解職請求(リコール)の賛否を問う住民投票を実施し、2020年12月に新井氏は失職しました。

時系列で言うと、2019年12月2日に草津町議会で新井氏に対する懲罰動議が発動され、除名という一番重い処分となりました。しかし、新井氏は群馬県の山本一太知事に不服を申し立て、2020年8月に除名処分が取り消されていました。

新井氏は草津町議会議員の肩書きを利用して、いろんなところに性被害者としてアピールし始めていました。どんどん草津町がおとしめられるということで町民が危機感を持ったんだと思います。議員として置いておくわけにいかないということで、どちらかといえば町民の中からリコールに向けて盛り上がっていきました。