働きすぎだけが原因ではない…「過労自死」のヤバすぎる実態と「発生メカニズム」

AI要約

1990年代以降の日本社会で広く認自死

労働環境の改善と過労自死の現状

過労自死の定義と背景

働きすぎだけが原因ではない…「過労自死」のヤバすぎる実態と「発生メカニズム」

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1990年代以降の日本社会で広く認自死

2019年4月1日から順次施行されている「働き方改革関連法」による残業時間の上限制限や有給休暇の消化義務などで少しずつ職場環境が改善されつつあるが、働きすぎによる自死事件はたびたびメディアで報じられる。

以前よりも労働環境は整備されてはいるものの、なぜ過労自死が頻発してしまうのだろうか。

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 まず、群馬県前橋市の東和銀行で発覚した25歳の男性行員のケースを紹介する。

 「2017年5月に東和銀行の男性行員(当時25歳)が自殺し、2023年8月に労災に認定されていたことが今年5月7日、関係者への取材で分かりました。労働基準監督署は、配置転換による未経験の業務への重圧に加え、上司から日常的にパワハラを受けていたことなどから、強い心理的負荷があり、適応障害を発病していたと認めました。『仕事で悩んでいました。支店で誰にも相談できずに、どうにもならなくなっていました』などと記されたメモも見つかっています」(全国紙社会部記者)

 東和銀行は5月9日に会見を開き、同行の調査で上司は「バカ」「給料泥棒」などの人格否定の発言や、休日に勉強会と称して自宅に呼びつけていたことを認めたという。

 江原洋頭取は「大切な家族を亡くすという、取り返しのつかない大変な事案を起こしてしまい、深くお詫び申し上げます」と遺族に謝罪し、再発防止に取り組むと述べた。

 2014年に成立した「過労死等防止対策推進法」による過労死等の定義は、以下の通りだ。

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1. 業務において、過剰な負荷を受けたことにより、発症した脳血管疾患および心臓疾患を原因とする死亡

2. 業務において、強度の心理的な負荷を受けたことにより、発症した精神障害を原因した自殺による死亡

3. 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害

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 「1」が「過労死」、「2」が「過労自死(自殺)」に分類される。今回、東和銀行で起きたケースは「2」の「過労自死」に該当する。

 そもそも「過労死」という概念が生まれた背景を、常磐大学人間科学部准教授の小森田龍生氏(自殺予防学)が解説する。