ステマで初の行政処分 医療法人、高評価の口コミで料金割り引き

AI要約

消費者庁が医療法人社団に対し、グーグルマップの口コミ評価を偽装してワクチン接種料金の割引を依頼したことに対する措置命令を出した。

医療法人社団が運営するクリニックが、患者らに対し口コミ評価で評価を星5か4とし、それに見返りとしてワクチン接種料金を割引するよう依頼していた。

消費者庁は、ステマ行為として初めて行政処分をしたことで、問題が広がっており、再発防止策が求められる状況にある。

ステマで初の行政処分 医療法人、高評価の口コミで料金割り引き

 グーグルマップの口コミで評価を高くする見返りに、ワクチン接種の料金を割り引くと依頼し、口コミを偽装したとして、消費者庁は7日、景品表示法違反で医療法人社団「祐真会」(東京都大田区)に不当表示をやめ、再発防止策などを講じるよう措置命令を出したと公表した。命令は6日付。昨年10月に景表法で新たに禁止行為となった、いわゆる「ステルスマーケティング(ステマ)」で初の行政処分となった。

 グーグルマップでは、医療施設や飲食店など施設情報をクリックすると、星1~5の評価やコメントが書き込める。口コミの評価が偽装されたのは、同法人が運営する「マチノマ大森内科クリニック」(同)。23年10月2日から17日午前まで、クリニック側が患者らに対し、グーグルマップの口コミ評価で評価を星5か4とするよう依頼し、投稿をした見返りにインフルエンザワクチン接種の料金を割り引いた。

 消費者庁は、クリニックが依頼した広告に該当するにもかかわらず、一般の口コミを装ったステマ行為と認定。同庁によると、23年1月から24年1月末まで508件の投稿があり、そのうちステマを依頼した期間で269件の投稿があった。実際に違反と認定をしたのは45件で、すでに10件は削除されたという。

 同法人に取材したが、回答を得られなかった。【阿部絢美】