29品目食べられない→アルコール消毒を吸い込み気絶!…“仕事ができない”化学物質過敏症の苦しみ

AI要約

伊藤雅美さんは化学物質過敏症に苦しむ女性で、食べ物から始まり29品目の食材に反応するようになった。

化学物質過敏症は化学物質に触れることで多彩な症状が表れる病気であり、伊藤さんは日常生活で気をつけることが必要。

伊藤さんは新たな原因物質であるアルコールにも反応し、日常生活における制約がますます厳しくなっている。

29品目食べられない→アルコール消毒を吸い込み気絶!…“仕事ができない”化学物質過敏症の苦しみ

 世の中にあふれている化学物質に接することで、思わぬ体調不良など健康被害が引き起こされることがある。「化学物質過敏症」に苦しむ女性に話を聞いた。

 「仕事にならないほど体調が悪くなる」

 こう話すのは、5年前から化学物質過敏症に苦しむ伊藤雅美さん。最初に異常を感じたのは食べ物がきっかけだった。伊藤さんは「アレルギー反応のような咳が出て、気持ち悪くなった」と振り返る。

 それまで普通に食べられていた魚を食べたときに体調が悪くなり、その後、野菜や果物など症状が出る食べ物が増えていった。最終的には29品目の食材に反応するようになったが、アレルギー検査では異常値が出なかった。最終的に専門医から「化学物質過敏症」の診断を受けた。

 化学物質過敏症とは、大量または長期的に化学物質に触れることで、頭痛や吐き気、息苦しさなど多彩な症状が表れる病気である。伊藤さんは「酷くなると、お腹が痛くなり、全身にピリピリした感じが出るなど、様々な症状が出てくる」と語る。

 原因となる物質に出くわさないよう注意を払う日々を送る伊藤さんだが、先月、新たな原因物質が襲った。「他人がアルコール消毒した後の空間に私が通り、アルコールを吸い込んだ。それがきっかけで頭痛、腹痛、咳が一気に押し寄せてきた」と振り返る。動けなくなり、何時間も意識を失っていたという。

 今まで全く気にならなったアルコールだが、意識を失ったあとは少しでも吸い込むと意識が急変するように。伊藤さんも「一足飛びで悪くなった。ノーコントロール状態で『もうダメだ』という時には救急車を呼んでもらう」と症状を語る。

 伊藤さんは除菌シートやホワイトボード用のマーカーペン、化粧品などのアルコール入りのものにも近付けなくなり、「電車で具合が悪くなったり、柔軟剤や洗剤の匂い、街中の香水の匂いに敏感になったりと、何がきっかけでいつダメになるのかという恐怖感を抱えている」と話す。

 反応する物質の種類が増えることで化学物質過敏症による生活の制約は厳しくなる。