暴力団事務所跡地への福祉施設建設、資材高騰で入札が不落…理事長「絶対にあきらめない」

AI要約

特定危険指定暴力団工藤会の旧本部事務所跡地に福祉拠点を整備する「希望のまちプロジェクト」で建設工事の入札が不落になった。

資材高騰が背景にあり、計画に遅れが生じる見込み。

計画は生活保護受給者向けの施設や地域住民向けのホールなどが含まれており、再入札を目指す方針。

 特定危険指定暴力団工藤会の旧本部事務所跡地(北九州市小倉北区)に福祉拠点を整備する「希望のまちプロジェクト」について、NPO法人「抱樸(ほうぼく)」(同市八幡東区)は5日、複合型福祉施設の建設工事の入札が不落になったと発表した。資材高騰などが背景にあるとみられ、計画に遅れが生じる見込み。記者会見した奥田知志理事長は「残念な結果だが、プロジェクトは絶対にあきらめない」と再入札を目指す方針を示した。

 同NPOによると、施設は、3階建てで生活保護受給者向けの救護施設や地域住民らが集うホールなどを設ける予定。当初の計画では4階建てだったが、資材高騰などで規模を縮小。それでも総事業費は約4億円多い13億9000万円に膨らみ、金融機関からの借り入れや企業・個人からの寄付などで工面した。

 一般競争入札は4月18日に公告。同24日までに建設会社2社が参加申請し、途中で1社が辞退した。5月29日の入札に応じたのは1社のみで、設計費などを除いた予定価格の12億円を入札額が上回り、不落に終わった。入札額は非公表。

 施設は2025年秋の開所を目指していたが、今回の不落で少なくとも数か月は遅れる見通し。可能な限り機能を維持する形で設計変更し、資金計画を見直して再入札を行う予定。奥田理事長は「待っていても資材高騰の状況が変わるかわからない。なるべく早く再入札をしたい」と述べた。