政治資金規正法の改正、4日に採決も…自民党の修正案に維新が一転「賛成は難しい」

AI要約

法案に賛成する方針だった日本維新の会が、政治資金規正法の改正で自民党案に反発し、法案への賛成を見送る姿勢を示している。

立憲民主党が自民党の譲歩に疑問を投げかけ、領収書の公開方法や期間の考慮について追及したことがきっかけとなり、日本維新の会も自民党案を検証し、合意文書が反故にされる可能性を指摘している。

日本維新の会が、今の自民党案に賛成できないとして、党首間の合意を尊重し、改正案に反対する姿勢を示す中、野党は混乱の原因を指摘し、岸田総理による説明の必要性を訴えている。

政治資金規正法の改正、4日に採決も…自民党の修正案に維新が一転「賛成は難しい」

派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正をめぐり、法案に賛成する方針だった日本維新の会ですが、「党首間の合意が反故にされた」として一転、今の自民党案では賛成できないと反発しています。一体、何があったのでしょうか。

政治資金規正法の改正をめぐる、きょうの国会の質疑。立憲民主党が追及したのは、自民党が日本維新の会に譲歩し盛り込んだ政策活動費の「10年後の領収書の公開」についてです。

立憲民主党 山岸一生 衆院議員

「10年間という基準を作るに際して、政治と金に関わる犯罪の公訴時効が10年であるのは、何らかの考慮の理由になったのか、なっていないのか、教えてください」

自民党 鈴木馨祐 衆院議員

「そういったことが考慮事項であったとは承知をしておりません」

立憲民主党の山岸氏は、自民案に賛成の方針となった日本維新の会をけん制しながら、領収書の公開方法が明示されていないと自民党を追及しました。

立憲民主党 山岸一生 衆院議員

「自民党さん、そして公明党さん。同じ穴のムジナと批判されてきて、同じ穴に今度は維新まで入っちゃって、ムジナ三兄弟。10年後にこの領収書を公表するというときに、この領収書については“黒塗り”。支出先とか、お店の名前とか、相手方の名前・日付・金額、こういったものに関して“黒塗り”を認めるということはありうるんでしょうか」

自民党 鈴木馨祐 衆院議員

「各政党の活動と関わりのある様々な個人等のプライバシー、あるいは企業・団体の営業秘密の保護等とのバランス。当然、政治資金の透明性が極めて大事ですけれども、そういったバランスは当然、考慮されていかなくてはいけないんだろう」

「各党と今後、真摯に協議をしていきたい」と述べるにとどめた自民党に対し、合意文書を交わした維新もクギを刺しました。

日本維新の会 青柳仁士 衆院議員

「党首同士で合意文書。これは極めて重いものだと思っていますから、これを万が一、条文化する段階で反故にするようなことがあれば、今回の法案には賛成できませんので」

法案への反対もちらつかせ、自民党に対応を迫った日本維新の会。

野党は「現場の合意を全部ひっくり返して、トップで決めてしまう」と混乱の原因を解説し、岸田総理自身による説明が必要だと訴えました。

日本維新の会 音喜多 駿 政調会長

「日本維新の会の総意として、今日の時点で出ている自民案に賛成することは難しい」

日本維新の会の音喜多政調会長は「先週、自民党と合意文書を交わしたが、自民党案を検証したところ、抜け道がある状態だ」と指摘し、現時点で自民党案に賛成できないとの考えを示しました。

与野党はあす、岸田総理出席のもと、特別委員会で質疑をおこない、その後、採決する日程で合意しています。

立憲民主党 笠 浩史 国対委員長代理

「責任者たるやはり総理に、しっかりとその真意を、本当に政治改革が進むのか、抜け道がふさげるのか、そういった点をやはりきちっと質す」

改正案はあす、衆議院を通過し、今の国会で成立する見通しですが、実効性のある政治改革がおこなわれるのか、各党の本気度が問われています。