オッペンハイマーの孫が広島訪問、被爆者に熱心に質問…「核廃絶のステップは各国の対話から」

AI要約

原爆の父と言われたロバート・オッペンハイマーの孫であるチャールズ・オッペンハイマーさんが広島の平和記念公園を初めて訪れ、被爆者と対面した。

オッペンハイマーさんは被爆体験を聞き、核戦争への危機感を述べ、核兵器廃絶に向けた各国の対話の必要性を強調した。

訪日中のオッペンハイマーさんは講演や記者会見を行い、平和への希望と被災者とのつながりを感じている。

 原子爆弾の開発を主導し、「原爆の父」と言われた物理学者ロバート・オッペンハイマーの孫で米サンフランシスコ在住のチャールズ・オッペンハイマーさん(49)が1日、初めて被爆地・広島の平和記念公園を訪問した。

 チャールズさんは同公園で、昨年5月に広島市で開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)で首脳らに体験を語った被爆者の小倉桂子さん(86)と対面した。一緒に、公園内の「G7広島サミット記念館」を見学し、小倉さんに被爆当時のことなどを熱心に質問。小倉さんがバイデン米大統領から返礼品として受け取った手帳に、平和を願うメッセージと感謝の言葉を記した。

 チャールズさんは、小倉さんとの面会を「感動的だった」と述べ、「広島の街を見て、ひどい戦争や爆弾の後でも、ここまで美しい状態に戻せるんだという希望を感じた」と話した。

 ロシアによるウクライナ侵略が長期化するなど、緊迫化する世界情勢について「核戦争に向かわないようにしないといけない。どうすれば核兵器廃絶への建設的なステップが踏み出せるか、各国の対話から始めるべきだと思う」と語った。

 小倉さんは「彼もオッペンハイマーと名乗ることがすごく大変だったと聞いた。私も被爆体験を話すまで何十年もかかった。歴史の一点ではあっても、私たちはお互いにつながっているんだと感じた」と話した。

 チャールズさんは、講演や被爆者との面会のために来日。3日に一橋大学で講演した後、日本記者クラブで記者会見を行う予定。