【日本株週間展望】足踏み続く、国内外の金融政策の方向性を見極め

AI要約

日本株は足踏みが続き、金融政策の見通しを固める週となる見込み。

金利上昇が業績にプラスに働く金融株に買いが入る一方、グロース株は軟調。

国内外の景気指標や米国の経済データに注目が集まる中、市場の動向に不透明感が漂う。

(ブルームバーグ): 6月第1週(3-7日)の日本株は足踏みが続き、日経平均株価は3万8000円台を中心に明確な方向感を欠く見込み。国内外の景気指標を手掛かりに金融政策の見通しを固める週となりそうだ。

5月第5週の東証株価指数(TOPIX)は週間で1.1%高と反発。日本銀行による早期の政策修正観測を背景に長期金利が約13年ぶりの水準に上昇し、金利上昇が業績にプラスに働く銀行や保険などの金融株に買いが入った。半面、金利上昇で割高感が生じるグロース(成長)株などは軟調だった。

日銀の金融政策を見通す上で重要な賃金動向に関連し、5日に4月の毎月勤労統計が発表される。今年の春闘の平均賃上げ率が33年ぶり高水準となり、前年比マイナスが続く実質賃金にプラス転換の兆しが見え始めるかが注目される。米国の利下げ観測が後退し、外需関連株の買いにくさが意識される中、内需銘柄が相場を下支えできるかどうかの判断材料となりそうだ。

米国では3日に5月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、5日にISM非製造業総合景況指数が公表される。市場予想を上回り、金融当局の利下げ時期が後ずれするとの観測が強まれば、株式相場の重しとなりやすい。7日には5月の雇用統計の発表もある。

このほか、3日にユーロ圏の5月の製造業購買担当者指数(PMI)が公表予定。宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去サービスなどの開発に取り組むアストロスケールホールディングスは、5日に東京証券取引所のグロース市場に上場する予定だ。

《市場関係者の見方》

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャー

国内外で金融政策の方向性が明確に見えないため、投資家は動きにくい。週末に発表される米雇用統計でインフレが収まるのかを見極めるため、買い控え姿勢が強まるだろう。国内では家計調査での個人消費の動向を注視している。

楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長