FAA、737MAXの増産認めず ボーイングやスピリット監視強化継続

AI要約

FAA(米国連邦航空局)は小型機737 MAXの増産を認めない方針を継続することを決定した。過去の事故を受けて、安全検査や製造工程の監視を強化する取り組みを続けると発表した。

FAAはボーイングとスピリットに対し、安全管理システムの強化や従業員教育の強化など様々な要求を出しており、毎月進捗状況をレビューすることを明らかにした。

ボーイングとスピリットの幹部は「安全性を確保するための具体的な計画を提示している。FAAの監視の下で改善を続け、納入に関する問題を解決するために努力していく」とコメントしている。

FAA、737MAXの増産認めず ボーイングやスピリット監視強化継続

 FAA(米国連邦航空局)は現地時間5月30日、ボーイングに対して小型機737 MAXの増産を認めない方針を継続すると伝えた。今年1月に米ポートランドで起きたアラスカ航空(ASA/AS)が運航するボーイング737-9(737 MAX 9、登録記号N704AL)のドアプラグ脱落事故を受け、FAAはボーイングやサプライヤーのスピリット・エアロシステムズへの監視を強化しており、安全検査官の増員をはじめ、製造工程の重要箇所での追加検査や製造工程の監査などを続ける。

 FAAのマイケル・ウィテカー長官は30日、「1月5日の事故発生直後、FAAはボーイングに対する監視を強化するために前例のない措置をとった。この90日間で、施設での安全検査官の増員から増産停止まで、あらゆることを実施した。本日、我々はボーイングが新たな安全基準を設定するためのロードマップを検討し、是正措置を実施して、安全文化を効果的に変革する必要があることを強調した」との声明を発表した。

 ウィテカー長官は30日朝、ボーイングのデビッド・カルフーン社長兼CEO(最高経営責任者)らと約3時間会談し、安全対策の実効性を確保するための次のステップについて話し合った。FAAはボーイングに対し、完了した措置の詳細な最新情報と、同社が今後実施予定の中長期的な措置の報告として、1)従業員の安全報告を含む安全管理システムの強化、2)プロセスと手順の簡素化、作業指示の明確化、3)サプライヤーの監督強化、4)従業員教育とコミュニケーションの強化、5)生産システムの内部監査の強化を求めている。FAAとボーイングの幹部は毎週会合を持ち、進捗状況を毎月レビューするという。

 また、ボーイングとスピリットへの監視強化としては、1)両社施設での安全検査官の増員、2)変更の効果を測定するため、従業員との対話を増やす、3)製造工程の重要箇所に対する追加検査と製造工程の監査、4)品質システムメトリクスの監視による懸念事項の特定を実施する。

 カルフーン社長は「1月5日の事故後、航空機の安全性を確保するため、ただちに封じ込めと緩和策を講じた。業務のあらゆる面で厳しい検討を行い、生産レートを落とす決断を下した。私たちは従業員の声に耳を傾け、規制当局と透明性をもって協力し、FAAのレビューから得られた知見と勧告を歓迎し、顧客や独立した専門家からの精査を求めた。こうしたフィードバックと監督に基づき、本日、私たちはFAAに対し、安全管理、品質システム、安全文化、ODAの責任を強化するための包括的な計画を提示した」とコメントした。

 ステファニー・ポープ民間航空機部門社長兼CEOは「私たちは提出した計画に自信を持っており、継続的な改善に取り組んでいる。私たちはFAAの監視の下、安全で高品質な航空機を提供し続けるために、空を飛ぶ人々に対する責任を果たしていく。この計画を実施し、予測可能な納入に戻るまでの間、お客様の忍耐に感謝している」とコメントした。