米銀、商業用不動産リスクに盲点-REIT向けローン考慮されず

AI要約

米銀大手がREITにクレジットラインやタームローンを提供し、CREへのリスクが上昇しているとの研究結果が示された。

研究者らはFRBによる銀行ストレステストにREITへのエクスポージャーを適切に組み込むよう主張している。

新型コロナウイルス禍でREITは困難に直面し、一部投資家が資金引き揚げに動くなど課題が浮き彫りになっている。

(ブルームバーグ): 米銀大手は不動産投資信託(REIT)にクレジットライン(与信枠)やタームローンを提供しており、規制・監督当局の評価以上に商業用不動産(CRE)へのエクスポージャーが大きい恐れがある。

インド準備銀行(中央銀行)の副総裁も務めたニューヨーク大学のビラル・アチャルヤ教授(経済学)らが執筆した最新の研究論文によれば、大手行のCRE貸し付けへのエクスポージャーは、REITへの間接的な融資を加えると約40%増加する。問題を抱える不動産業界が貸し手にもたらすリスクの議論で、その点がおおむね見落とされてきたという。

米連邦準備制度理事会(FRB)が資本要件に関する銀行ストレステスト(健全性審査)を実施する際、REITへの金融機関のエクスポージャーをより適切に組み込むべきだと研究者らは主張した。

アチャルヤ教授はインタビューで、「誰もが銀行のバランスシート上のローンに注目する。大手行はより規模が小さい金融機関に比べ相対的にエクスポージャーが小さいという盲点にとらわれるべきでない」と語った。

オフィスの長期的価値が在宅勤務で脅かされる一方、借り入れコスト高騰が多くの集合住宅投資に打撃を与える状況で、新型コロナウイルス禍の発生以降、REITは困難に直面してきた。

スターウッド・キャピタル・グループやブラックストーンなどが運用するREITは過去2年にわたり一部投資家が資金引き揚げに動き、流動性を維持するため償還が制限された。

原題:US Banks Have a Commercial Property Blind Spot Risk, Study Warns(抜粋)

--取材協力:David Scheer.

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