4気筒1500cc・2000cc…トヨタが開発中、新エンジンの性能

AI要約

トヨタ自動車は、電動化への対応に向けて新エンジン2種を開発。体積を10-20%低減し、燃費性能や出力を向上させ、2020年代後半の排気規制にも対応。

新エンジンはTNGA設計を取り入れ、1500ccエンジンではノーマルとターボチャージャー付きの2種類を開発。2000ccエンジンはターボ付きのタイプを開発中。

モータースポーツを通じた技術磨きやデジタル技術の活用により、最適設計を実現。小型で自由度が高く、既存の全てのエンジンをカバー可能。

4気筒1500cc・2000cc…トヨタが開発中、新エンジンの性能

トヨタ自動車は28日、電動化への対応に向けて開発中の新エンジン2種を発表した。開発しているのは4気筒1500ccと同2000ccのエンジン。従来型エンジンに比べて体積を10―20%低減しながら燃費性能や出力を高めた。2020年代後半に施行される各国・地域の排気規制も満たす。モーターや電池と組み合わせることで電気機構とエンジンの双方の長所を生かせるほか、バイオ燃料や水素などに対応し脱炭素化に貢献する。

トヨタは17年から部品や設計の共通化を進める「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」の思想を取り入れたエンジンを搭載している。今回は電動化時代に適したエンジンをゼロから開発している。

新エンジンのうち1500ccではノーマルとターボチャージャー(過給器)付きの二つのタイプを開発している。既存のTNGA設計の1500ccエンジンに比べて燃費性能が良く、ターボを付けた場合の出力はTNGA設計の2500ccのエンジンとほぼ同等の出力を実現する。

一方、2000ccの新エンジンはターボ付きのタイプを開発中。TNGA設計のターボ付きの2400ccより燃費性能と出力が高い。

トヨタは「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を進めている。ここで磨いた燃焼技術を基に、モデルベース開発(MBD)などデジタル技術を組み合わせて最適設計を実現。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の開発で技術を高めてきたモーターや電池システムとの組み合わせを前提としたことで、エンジン機能の選択と集中を実現した。

新エンジン2種は小型のため、搭載自由度が高い。燃費性能や出力を従来品より高めたことで、既存の全てのエンジンをカバーできる見込み。トヨタでは自社での活用だけでなく、他社への展開も想定。開発に着手したばかりだが、各国・地域の新排気規制が始まる前に投入する考え。