セールスフォース株急落、増収率で初の1桁台見通し-存在感巡り懸念

AI要約

米セールスフォースの株価が29日の時間外取引で急落した理由は、5-7月の売上高が過去最低の伸び率見通しであるため。売上高は8%増の見込みで、アナリスト予想を下回った。

売上高の伸びが鈍化する中、セールスフォースは人工知能(AI)ツールに注力し、自社株買いや配当開始など利益向上策を打ち出している。

市場では、セールスフォースの存在感維持や業績改善が焦点となっており、今後の動向に注目が集まっている。

(ブルームバーグ): クラウドベースの顧客管理(CRM)ソフトウエアを手掛ける米セールスフォースの株価が29日の時間外取引で一時約16%下落した。5-7月(第2四半期)の売上高の伸びが過去最も低調になるとの見通しを示した。業界が人工知能(AI)ツールにシフトする中で同社が存在感を維持できるかどうか懸念が強まった。

同日の発表資料によると、5-7月期売上高は最大8%増の92億5000万ドル(約1兆4600億円)の見通し。予想通りとなれば、売上高伸び率は四半期として、上場企業となったこの約20年で初の1桁台となる。

ブルームバーグのデータによると、アナリスト予想平均は93億5000万ドルだった。同社によれば、一部項目を除いた1株利益は約2.35ドルの見通し。予想平均は2.40ドル。

セールスフォースが利益向上に目を向ける中、この1年間に売上高が伸び悩んでいることが市場で懸念されている。経営陣はAI指向のソフトウエア・機能が売上高を押し上げると説明してきた。同社はまた、米金融市場を満足させるため自社株買いを拡大し配当を開始した。

2-4月(第1四半期)は売上高が11%増の91億3000万ドル、一部項目を除いた1株利益は2.44ドル。アナリスト予想平均はそれぞれ91億5000万ドル、2.38ドルだった。

原題:Salesforce Plunges on First-Ever Single-Digit Growth Outlook (3)(抜粋)

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