〔東京外為〕ドル、157円台前半=米長期金利上昇で上伸(29日午前9時)

AI要約

29日朝の東京外国為替市場では、ドルの対円相場が上昇して157円台前半に達し、米長期金利の影響が大きかった。

28日の米国時間には一時下落したものの、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言で再度上昇し、29日の東京市場でも買いが先行した。

また、米市場では消費者景気信頼感指数が上昇し、カシュカリ総裁の発言が注目されている。

 29日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利上昇を受けて、1ドル=157円台前半に上伸した。午前9時現在は、157円27~27銭と前日(午後5時、156円88~88銭)比39銭のドル高・円安。

 28日の米国時間の序盤は、利益確定や持ち高調整の売りに押され、156円60銭前後へ下落した。中盤は、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の「利上げを排除しない」などのタカ派的な発言で米長期金利が上昇し、ドル円は156円90銭台に上伸。終盤は、2年債と5年債入札結果の不調を受けて長期金利が一段と上昇すると、157円20銭近辺へ水準を切り上げた。29日の東京早朝は買いが先行し、157円20銭台に上伸した。

 米市場では、5月の消費者景気信頼感指数が102.0と前月の97.5から大きく上昇した。また、カシュカリ総裁は講演で、追加利上げの可能性を排除しないとしつつ、政策金利を現行水準で維持する可能性が高いなどと発言した。

 29日の東京市場は、米長期金利上昇による日米金利差拡大で、しっかりとなりそうだ。ただ、157円台は政府・日銀による「介入警戒レベル」とされており、上値追いには慎重となりそうだ。また、月末のスポット応当日に当たり、「ドル以外の通貨でもフローが出る可能性ある」(外為仲介業者同)との声もあった。

 東京時間は、安達日銀審議委員が金融経済懇談会に出席、会見を行う。国債購入の減額や追加利上げといった政策変更の手掛かりを得られるか、注目される。

 ユーロ円は上昇。ECBによる利下げは緩やかなペースになるとの見方から買い戻され、4月29日以来、1カ月ぶりの高値を付けた。ユーロドルは下落。午前9時現在は、1ユーロ=170円66~66銭(前日午後5時、170円64~67銭)、対ドルでは1.0851~0851ドル(同1.0877~0877ドル)。