三井松島HDは短期で株価倍増 「物言う株主」アクティビストが狙う企業の特徴とその投資妙味

AI要約

アクティビスト(物言う株主)の活動が株式市場で注目される中、最近の動向や影響について解説されている。

アクティビストの活動は、1980年代にアメリカで始まり、日本では2000年代に注目されるようになった。元通産省の官僚が立ち上げた投資ファンドがアクティビストの先駆けである。

アクティビストは別名「物言う株主」として知られ、企業に影響力を及ぼすため、投資家から注目を浴びている。

三井松島HDは短期で株価倍増 「物言う株主」アクティビストが狙う企業の特徴とその投資妙味

 年々、アクティビスト(物言う株主)の動きが活発化してきており、株式市場にも影響が出ている。アクティビストの活動はどのようなものか。また、アクティビストが狙いを定める企業の特徴は。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第94回は、「アクティビスト」について。

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 最近の日本の株式市場では、アクティビスト(物言う株主)が保有する銘柄に注目が集まっています。かつては「ハゲタカ」などと揶揄されたアクティビストですが、いったいどういう存在なのでしょう?

 今年の4月は、全体相場は軟調でしたが、そんな中でも比較的元気がよかったのが、アクティビストが保有する銘柄群です。たとえばアクティビストファンド・シティインデックスイレブンスは、5月13日に三井松島ホールディングス(1518)の株式の保有割合が6.7%になったと大量保有報告書を提出してから、定期的に買い付けを行い、直近22日には、保有割合が28.96%にまで増えています。4月末から5月中旬までに株価は倍増、その後はいったん調整していますが、おそるべしアクティビスト効果!と言えるでしょう。(*5月23日時点では保有比率も28.96%→28.03%と少し減少しています)

 シティインデックスに限らず、アクティビストが保有比率を高めるといったアナウンスがあると、その銘柄は株価が上昇する傾向にあるため、投資家からはとても注目されています。

 アクティビストは、別名「物言う株主」とも呼ばれます。その名前のとおり、株主としての権利を積極的に行使して、企業に影響力を及ぼす投資家のことを指します。

 アクティビストの活動は、1980年代にアメリカで始まったと言われていますが、日本で取り沙汰されるようになったのは、2000年代になってからです。元通産省の官僚だった村上世彰氏が立ち上げた投資ファンド(通称:村上ファンド)が、企業価値の低い企業や経営効率の悪い企業に対して、大胆な株主提案を突き付けたり、敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けたりしたことがきっかけの1つです。ちなみに、三井松島ホールディングスを買い付けているシティインデックスイレブンスは、旧村上ファンド系のアクティビストです。

 強引に感じる企業への関与が、企業や経済界から嫌がられ、いっときは下火になっていたアクティビス?の活動ですが、最近は、東証が企業価値向上の経営を口すっぱく提言することもあり、ふたたび存在感を強めています。