超富豪向け資産運用、豪州で活況-鉱業ブームで財を成した資産家多数

AI要約

ウエスタンオーストラリア州パースの裕福な地域ペパーミントグローブで、富裕層がますます増加し、ファミリーオフィスが注目されている。

ファミリーオフィスは、資産1億ドル以上の顧客に対する専門サービスを提供するもので、世界的に需要が拡大している。

パースには64人の億万長者がおり、アンドリュー・フォレスト氏などが資産を持つファミリーオフィスが存在している。

(ブルームバーグ): ウエスタンオーストラリア州パース郊外のペパーミントグローブには、広大なリバーサイドの邸宅、名門校、ヨットクラブなど、豪州で最も裕福な郵便番号の一つにふさわしいものがそろっている。

だが最近、パースのエリートたちが単なる金持ちと超金持ちを分ける境界線を越え始めていることを示す新たな兆候が見えつつある。不動産業者の窓に「ファミリーオフィスに最適」と書かれた広告をよく目にするのだ。

ドバイ、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールといった金融の中心地は長い間、資産1億ドル(約157億円)以上の単体顧客を対象に資金管理、税金、慈善の寄付、さらには家事の手伝いなどのサービスを提供するファミリーオフィスという、ごく一部の人に限られた世界を支配してきた。

投資データを提供するプレキンによると、2019年以降、富裕層がより豊かになるにつれ、世界のファミリーオフィスの数は3倍以上に増加し、昨年は4600近くに達した。

ただ富裕層は世界の花形都市だけに住んでいるわけではない。最も近い大都市アデレードから1300マイル(約2092キロメートル)、シドニーよりもインドネシアのジャカルタに近いインド洋沿岸のパースのような場所にも、ファミリーオフィスが出現しているのだ。

約20年にわたる鉱業ブームで、人口200万人超のパースには64人の資産1億ドル以上の億万長者がいる。市民権コンサルティング会社ヘンリー・アンド・パートナーズのデータによれば、ストックホルムと並び、ベルリンとダブリンを抑えて世界で最も裕福な都市の一つに数えられている。

ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、アンドリュー・フォレスト氏とその家族は、5月中旬時点で292億ドルの資産を持ち豪州富裕層のトップ。同氏はパースに本社を置く探鉱・採掘サービス会社フォーテスキューを創業した。

フォレスト夫妻はファミリーオフィスを「タッタラン」と名付け、上場企業や非公開企業に投資するとともに、慈善事業「ミンデルー財団」と連携している。23年に夫妻は別居を発表したが、共有するベンチャー企業への影響はないとしている。