「あの人はもう年だから……」は年齢差別 エイジズムを職場から無くすにはどうしたらいいのか

AI要約

「エイジズム(Ageism)」とは、年齢に基づいた偏見や差別のこと。高齢者や若年層に対するステレオタイプによる差別が職場や社会で起こり、組織のパフォーマンスやイノベーションに影響を与えている。

エイジズムを排除するためには、採用や昇進の公平性を確保し、候補者の評価基準を年齢ではなくスキルや適性に焦点を当てることが重要。また、ダイバーシティを受け入れる組織文化を育成し、異なるバックグラウンドの人材が組織の強みになることを認識する必要がある。

エイジズムの撤廃は、組織内で潜在的な才能を引き出し、多様性とパフォーマンスの向上につながる。差別のない職場環境が築かれることで、従業員のエンゲージメントも高まることが期待される。

「あの人はもう年だから……」は年齢差別 エイジズムを職場から無くすにはどうしたらいいのか

「エイジズム(Ageism)」とは、年齢に基づいた偏見や差別のこと。特定の世代・年齢グループの個人や集団を過小評価したり、差別的な行動を取ったりすることを指します。高齢者に対してよく起こりますが、若年層に対する偏見や差別も存在しています。「シニア層(若年層)にはこの仕事はできないだろう」というステレオタイプが、職場や社会において差別的な扱いをもたらします。ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの重要性が高まっている今、エイジズムに対する意識も向上させる必要があります。

DE&Iへの関心が高まる中、見過ごされがちなのが「年齢」「世代」という属性です。

「あの人はもう年だから、新しいアイデアを出すのは難しいだろう」

「シニア社員は体力が落ちているから、体に負担のない仕事を任せるべき」

「若い世代は責任感が乏しいから、この仕事は任せられない」

このように個人の特性を見ることなく、年齢によって決めつけてしまうケースが職場ではよく見られます。一見ポジティブな「若い人はエネルギッシュで成長の余地があるから、シニアより優秀だ」といった発言も、年齢のステレオタイプに基づいているので不適切です。

年齢に対する先入観が原因で、よいアイデアを見逃したり、人材を適切に配置できなかったりすることもあります。それでは、組織内のイノベーションやパフォーマンスの向上が阻害されるでしょう。

どうすれば、職場からエイジズムを排除することができるのでしょうか。まずは、採用や昇進において公平性を確保すること。採用プロセスを透明化し、候補者の評価基準を明確にします。年齢で候補者を評価することがないようにスキルや適性に焦点を当てた評価項目にしたり、そもそも年齢の項目を削除したりすると有効です。

採用プロセスの工夫と同時に、ダイバーシティを受け入れる組織文化の醸成も大切です。「多様なバックグラウンドの人材がいることは、組織の強みになる」などと、会社のメッセージとして伝えるとよいでしょう。異なる価値観を持つ人たちが一緒に働く上での衝突を想定した研修や、評価からステレオタイプを取り除く仕組み、トレーニングも効果的です。

エイジズムを職場から無くすことは、これまで年齢によって見逃されてきた才能を発掘し、組織の多様性とパフォーマンスの向上につながりす。差別によって抑圧されてきた人たちがいきいきと働けるようになることで、組織のエンゲージメント向上も期待できるでしょう。