俳優・吉沢悠さんが歴代愛車を振り返った! 初めて買った“トヨタの天才タマゴ”との思い出などに迫る

AI要約

俳優の吉沢悠さんが初めて購入した愛車と再会したエピソード。初代エスティマの魅力と当時の特徴を振り返る。

エスティマのデビューから、斬新なデザインやメカニズムを持ち、当時の人気を集めた経緯を解説。

「天才タマゴ」と呼ばれるエスティマのミドシップレイアウトの革新性やハンドリングの優れた特徴について考察。

俳優・吉沢悠さんが歴代愛車を振り返った! 初めて買った“トヨタの天才タマゴ”との思い出などに迫る

愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第38回。前編は、俳優の吉沢悠さんが初めて購入した愛車と久しぶりに対面した!

俳優の吉沢悠さんが、「こんなにきれいな個体がまだ残っているんですね」と、感嘆の声をあげた。撮影場所にあらわれたトヨタの初代エスティマは確かにぴかぴかのコンディションで、大切に乗られていることが伝わってくる。

運転席をのぞき込んだ吉沢さんは、「そうそう、このコラムシフトがいかにも運転しているという感じがして大好きでした」と、当時を懐かしむ。1978年生まれの吉沢さんが運転免許を取得して、最初に乗ったクルマがこのエスティマだったのだ。

ちょっと意外なのは、20歳そこそこの若手俳優だった当時の吉沢さんと、ファミリーカー然としたミニバンの組み合わせだ。なぜ、人生初の愛車としてエスティマを選んだのか。当時を振り返ってもらう前に、初代エスティマがどんなクルマだったのかを簡単に紹介したい。

エスティマがデビューしたのはバブル華やかなりし1989年の東京モーターショーで、販売は1990年から始まった。一般に、日本におけるミニバンの大ブーム到来は1994年デビューのホンダ「オデッセイ」がきっかけだったとされるから、日本人の目にエスティマは新鮮に映ったはずだ。

当時のキャッチコピーは“トヨタの天才タマゴ”で、丸みを帯びた、ゆで卵のようにツルンとした外観が特徴だった。

ルックスだけでなく、メカニズムも斬新だった。2.4リッターの直列4気筒エンジンを右方向に傾けて、床下に搭載するミドシップレイアウトを採用したのだ。エンジンを横に傾けるためには、オイルや冷却水の配管を換える必要があることから、エスティマ専用に設計された。バブル期だからこそ可能になった、贅沢な開発手法だったとも言える。

当時のトヨタのディーラーには、「ボンネットにエンジンがない!」という、笑い話のようなクレームもあったと聞く。

エンジンを床下に配置することでフラットなフロアを実現、おまけに2列目シートはクルッと反転して3列目シートを対面にすることができたから、インテリアはまるでリビングルームのような雰囲気になる。

余談ではあるけれど、重量物のエンジンが車体の中心に集まるミドシップレイアウトを採ったこともあり、当時の自動車専門誌では「望外の好ハンドリング」とその操縦性が絶賛されていた。

つまり、“天才タマゴ”はただの宣伝文句ではなく、本当に画期的なアイデアから生まれていたのだ。ちなみに、2000年に発表された2代目エスティマは、一般的なFF(フロントエンジン・フロントドライブ)のレイアウトになっている。