「スランプは成長のとき」 日・韓・米で活躍したオランダ人元プロ野球選手に聞く、キャリア転換時に大切なこと

AI要約

オランダ人投手リック・バンデンハークがプロ野球選手から引退後、コンサルタントとして活躍しているストーリー。

バンデンハーク氏はアップ&ダウンを乗り越える方法を自らの経験から語り、スポーツイベントやビジネス会議で講演する姿が描かれている。

オースターハウト・ツインズで活躍したリック・バンデンハーク氏は、地元でヒーローとなり、多くのファンから支持を受けている。

「スランプは成長のとき」 日・韓・米で活躍したオランダ人元プロ野球選手に聞く、キャリア転換時に大切なこと

日本の国民的スポーツといえば野球が筆頭にあがるが、オランダでは驚くほど野球の影が薄い。そんな中でも、プロ野球選手になりたいという夢を実現させ、米メジャーリーグのほか、韓国、日本の野球界で活躍したオランダ人投手がいる。その名はリック・バンデンハーク。

プロ野球生活の最後は東京ヤクルトスワローズに在籍していたが、22年に37歳で引退した。オランダに戻ってからは、メジャーリーグのコンサルタントを務めるほか、自らの経験を伝えるスピーカーとしても活動し、悩めるビジネスパーソンに助言を与えている。

仕事のスランプやキャリアの大きな転換期をどう乗り越えればいいのか、話を聞いた。

今年4月、オランダ南部の小さな街、オースターハウトで行われた野球クラブ「Oosterhout Twins(オースターハウト・ツインズ)」のイベント会場には、150人ほどのファンが集まった。オランダの野球コミュニティは小さいが、少数派ならではの熱いファンが多い。

オランダ南部のこの小さな街を拠点とする同クラブで、リック・バンデンハーク氏は10~13歳のころに活躍していた。オランダ初のメジャーリーガーとなった彼は、地元野球界でヒーロー的存在だ。この日はゲストスピーカーとして登壇し、試合や仕事で経験する「アップ&ダウン」をどう乗り越えればいいのか、聴衆に秘訣を伝えた。

「いつも自分の心身が好調だとは限らない。不調の赤信号が灯ったら、それが学びのときです。悪循環に陥らずに、どうやって青信号に持っていくか、プログラミングするのです。具体的に僕が試合でやっていたことは、まずステップ1として身体的なアクションを取ること。(滑り止めの)粉をつかんで、何回か空や地に向かって投げる。ステップ2は注目点を見つめる。スタジアムにはいつも自分のクラブの旗がかかっているので、それを見ながら1度深呼吸をする。そして自分に言い聞かせる。『Vendy, right here, right now(自分は、今ここにいる)』……」(バンデンハーク氏、カッコ内以下同様)

スポーツイベントのみならず、ビジネス会議で登壇することもある。人より早くキャリアを築き、数々の波や引退の試練を乗り越えてきたバンデンハーク氏の人生ストーリーは、多くの人々の共感を得ている。