水素とバッテリーの電気で約700キロ走行 充電できるホンダの燃料電池車「CR-V e:FCEV」

AI要約

ホンダが新型水素車「CR-V e:FCEV」を発表。家庭で充電可能で、使い勝手が良い。

車両構造や性能について。航続距離や充電時間などの特長を紹介。

日常利用からレジャーまで対応可能な実用性の高さをアピール。

水素とバッテリーの電気で約700キロ走行 充電できるホンダの燃料電池車「CR-V e:FCEV」

 横浜市で24日まで開催されている「人とくるまのテクノロジー展2024」(自動車技術会主催)で、ホンダは今年夏に発売予定の水素で走るスポーツ用多目的車(SUV)タイプの燃料電池車「CR-V e:FCEV」の実車を出展している。

 燃料電池車は、水素と酸素の化学反応によって発電した電気で走行するが、この車は家庭で充電できる機能も搭載しており、プラグインハイブリッドのような使い方ができるのが特長だ。外部への給電機構も備えている。

 車両の構造は、燃料電池システムやモーターギアボックスなどをフロント部分に、2本の水素タンクを後部座席の下と背面にそれぞれ搭載。駆動用の大容量バッテリーはフロア下に収納している。

 1回分の水素充填(じゅうてん)による航続距離は600キロ以上。さらに1回の充電で60キロ以上走れる。水素の充填にかかる時間は約3分、200ボルトの普通充電は約2.5時間という。

 通勤や買い物などの普段使いはバッテリーに蓄えた電気で走行し、週末などのロングドライブは水素でつくった電気で走るというイメージだ。

 トヨタの新型セダン「クラウン FCEV」が搭載する水素タンク(3本)に比べ、CR-V e:FCEVのタンクはやや小ぶりで、キャビンは十分な広さを確保。一方で、後部座席の背面に1本が配置された関係から、荷室の一部が階段状に持ち上がっており、必要に応じて仕切り用のボードを使って平らにする。

 車両サイズは全長4805mm、全幅1865mm、全高1690mmで、前輪駆動方式が採用されている。乗車定員は5人。モーターで走行するため静粛性は高いが、スポーツモードにすると、エンジン車のようなサウンドが付加されるという。

 近場は水素を使わず走れること、室内空間に余裕があるSUVであること、外部給電できることなどから日常生活からレジャーまで、実用性は高そうだ。(時事通信解説委員・宮坂一平)。