北大阪急行電鉄「箕面延伸」はこうして実現した 地元待望、大阪メトロ御堂筋線と一体直通運転

AI要約

北大阪急行電鉄は、千里ニュータウンの足となる重要な鉄道路線であり、歴史と共に成長してきた。

2024年3月23日、千里中央から箕面萱野までの延伸開業により、新たな路線が加わり全線は8.4kmとなった。

新路線区間はトンネルを通り、古い開削工法と現代のシールドマシンの違いが見られる。

北大阪急行電鉄「箕面延伸」はこうして実現した 地元待望、大阪メトロ御堂筋線と一体直通運転

鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2024年7月号「北大阪急行電鉄 地元待望の箕面延伸開業」を再構成した記事を掲載します。

■千里ニュータウンの足となった北急

 北大阪急行電鉄は、大阪の地下鉄Osaka Metro御堂筋線終点江坂(吹田市)より先、千里ニュータウン方面の足となる南北線を運営する鉄道である。大阪市高速電気軌道(株)を正式社名とするOsaka Metroの前身は大阪市交通局だが、大阪市を脱した吹田・豊中市域の、それも開発途上だった地域に延ばすため阪急と大阪府が主要株主となる別会社となった。「北急」と呼ばれる。

 開業は1970年2月24日。アジア初開催、過去最大規模で国の威信をかけたと言われるEXPO’70「日本万国博覧会」が千里丘陵で開かれた年である。当時は我孫子―新大阪間であった御堂筋線を万博会場アクセス路線とするため、新大阪―江坂(吹田市)間を市営地下鉄として、さらにそれと一体で北急の江坂―万国博中央口間を作った。万博は3月から9月の会期中に約6400万人が訪れた。

 そして万博閉幕後、北急の路線は江坂―千里中央間に改められ、今度は計画人口15万人、約3万7000戸もの日本最初の大規模ニュータウンとして名を馳せた千里ニュータウンの足となる。

 それから54年を経た今年、2024年3月23日、千里中央から箕面市域の箕面萱野まで延伸開業した。距離は2.5kmで、既存の江坂―千里中央間5.9kmと合わせて北急全線としては8.4kmとなった。新大阪から箕面萱野までは11.3km、18分、梅田からは14.8km、25分である。

 新大阪から乗車して、千里中央から箕面萱野への新線区間に入る。トンネルは箱型から単線シールドの円型になり、次の箕面船場阪大前まで続く。千里中央―箕面船場阪大前間1.4km、箕面船場阪大前―箕面萱野間1.1kmと、新線区間は歩けない距離ではないので別途たどってみると、土被りの厚い山中とか既設路線と幾重にも交差する都心地区でもなく、変わらず新御堂筋の下を通っている。昔なら開削工法で上から掘ったであろう。しかし今は地上を工事現場として制約しないために、駅部を除いてはシールドマシンで掘る。そのような時代の違いがトンネル構造に現れている。