インプレッサーブを知ってるか? インプレッサスポーツワゴンのサーブ版9-2Xの黒歴史とは

AI要約

サーブ9-2Xは、スウェーデンのサーブと日本のスバルが共同開発した車で、2004年にLAショーで発表された。

デザインはサーブが担当し、ハードの開発はスバルが担当。ベースはスバルのインプレッサスポーツワゴンで、エンジンは水平対向4気筒を採用。

価格は2.5LNAのリニアが2万ドル以下、2LターボのAEROが2万5000ドル程度で、北米専用車として生産されたが、日本では販売されなかった。

インプレッサーブを知ってるか? インプレッサスポーツワゴンのサーブ版9-2Xの黒歴史とは

 フロントマスクはどう見てもサーブなんだけど、後ろ姿がサーブぽくない……。これってなんのクルマ?そう、同じGM傘下のスバルとサーブが共同開発したのが9-2X、インプレッサスポーツワゴンである。

 文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部

 サーブ9-2Xとネーミングされたこのクルマの正体は、スウェーデンのサーブと日本のスバルが共同開発したクルマ。

 2004年12月から開催されるロザンゼルスショーで発表されたサーブ9-2XはともにGMグループに属するスバルとサーブの初の共同開発車となる。見ての通り、デザインはサーブが担当し、ハードの開発はスバルが担当した。

 とはいえ、特にルーフラインはリア回りを見ればおわかりだと思うが、ベースになっているのはインプレッサスポーツワゴン。Cピラーのあたりにはインプレッサっぽさが微妙に見え隠れしている。いわゆるバッジエンジニアリングだ。

 エンジンはもちろん水平対向4気筒で、2.5LNA(160ps)と2Lターボ(227ps)の2タイプが用意されている。WRCのインプレッサで定評のシステムだから、アメリカ、カナダのユーザーだからアメリカ、カナダのユーザーにも説得力は大きい。

 発売開始は2004年7月からとなり、価格は2.5LNAのリニアが2万ドル以下、2LターボのAEROが2万5000ドル程度(当時のレートで約270万円)となる模様。スバル群馬工場で生産され、アメリカ、カナダに向けて年間1万台程度輸出された。

 当時のスバル竹中社長は「スバル独自のシンメトリカル4WDを世界に広めるためにサーブを搭載するのは有効な戦略」とコメント。

 サーブ9-2Xは北米専用車ということで、残念ながら日本では販売されなかった。

 その後、9-2Xは2005年10月に富士重工業とGMの資本提携が解消されることとなり、9-2Xの生産は2006年モデル限りで中止となった。

 サーブはバブル時代にはサーブ900ターボ16や9000など日本でも人気となったが、9-3や9-5となってからは人気も下降気味に。最近では映画『ドライブ・マイ・カー』にサーブ900ターボが出演したことでも話題となった。