取引先で「本音を引き出せる人」と「表面的な会話しかできない人」の決定的な違い

AI要約

平均年収2000万円超、営業利益率50%、時価総額5位――。キーエンスで商品開発に携わったOBが語る、「取引先から本音を引き出す方法」について解説。

失敗を避けるためには顧客視点が重要であり、顧客分析が有用である。仮説検証を通じて顧客の本音を理解し、商品企画をブラッシュアップすることがポイント。

キーエンスは高収益企業であり、合理性を追求した営業体制と高い売上高営業利益率を持つ。大崎氏の経験から、取引先から本音を引き出す極意が語られる。

取引先で「本音を引き出せる人」と「表面的な会話しかできない人」の決定的な違い

 平均年収2000万円超、営業利益率50%、時価総額5位――。最強企業キーエンスで商品の企画・開発に長年携わったOBが伝授する、「取引先から本音を引き出す方法」とは?ダイヤモンド・オンラインが配信している「学びの動画」の特集『キーエンス流 営業・企画・戦略の強化書』(全20回)の内容を基に、特別にお伝えする(元の動画はこちらから)。

● 商品が売れない会社は 「顧客の本音」を把握できていない!

 時間とコストをかけて、せっかく企画・開発した商品が「売れない」会社は、どんな失敗を犯しているのだろうか。

 一つ言えるのは「顧客視点」の欠如だ。例えば製造事業者が、自社の商品に「こだわりの機能」を数多く搭載したところで、必要とする顧客がいなければ売れるはずはない。多少は需要があったとしても、その商品を「欲しい!」と思ってくれる顧客が増えなければ、中長期的な目線では「もうかる商品」にはなりにくい。

 そうした失敗を避け、顧客視点を持つ上で有用なのが「顧客分析」である。だが、顧客分析にはいくつもの手法があり、世間には多くの情報があふれている。何が正解なのか、頭を悩ますビジネスパーソンも多いはずだ。

 そこで参考になるのが、キーエンスで長く商品企画・開発を担当してきた大崎道雄氏の「仮説検証が重要」という見解である(※「崎」の正式な表記は「たつさき」、以下同)。

 簡単に説明すると、先方がどんな商品を求めているのか、あらかじめ仮説を考えた上で取引先を訪問。あの手この手で「本音」を引き出しながら、自身の考えが正しかったのかを検証していく。この過程を繰り返す中で、企画案をブラッシュアップしていくというものだ。

 大崎氏は1997年にキーエンスに入社し、商品の企画・開発を20年近く担当した「売れる商品の作り方」を熟知する人物だ。キーエンス退職後はこれまでのノウハウを生かし、商品開発のコンサルティング企業「Minchu」を設立。代表取締役CEOを務めている。

 なお、大崎氏の古巣であるキーエンスはFA(ファクトリーオートメーション)関連機器の大手メーカーであり、測定器や画像処理機器、センサーといったFA用製品を手掛けている。

 キーエンスの強みは、コストやマージンを抑えつつ、合理性を徹底的に追求した営業体制を敷いていることだ。こうした仕組みによって、日本企業の中で圧倒的に高い「約50%」という売上高営業利益率を継続的にたたき出している。平均年収は2279万円(2023年3月期実績)と高年収企業ランキング上位の常連で、国内における時価総額ランキングでも5位(24年4月時点)につけている。

 高収益企業で商品開発に携わってきた大崎氏が語る、「取引先から本音を引き出す」極意とは――。