銀座の高級寿司“格安”の理由…2万7500円が5000円に 見習い職人の日々に密着

AI要約

銀座の一等地にある高級すし店「登龍門」は、若手職人の育成の場であり、高級すしを格安で提供している。

店内は立ち食いスタイルであり、効率化のために巨大なセントラルキッチンを使用している。

若手職人らが見習いとして握り手として活躍し、昇格試験を受けることで一人前の職人への道を目指している。

銀座の高級寿司“格安”の理由…2万7500円が5000円に 見習い職人の日々に密着

銀座の一等地にある高級すし店「登龍門」。この店では、近くにある総本店で2万7500円するすしが、同じネタを使用して4980円で食べられる人気店です。

“格安”の一番の理由は、この店が若手職人「育成の場」であり、すしを握るのは“見習い”の職人であることです。

番組は、10年修行して初めてすしを握れるといわれるすし業界で、3年目にして“一人前”の職人への昇格を目指す22歳“見習い”職人に密着。ある日、突然の「昇格試験」が告げられました。果たして親方に認められ、“一人前”への昇格は果たせるのでしょうか。

高級すしを格安で実現できる理由の一つ。店内を見ると、客は誰も座っていません。銀座では珍しい「立ち食い店」なのです。

さらに厨房(ちゅうぼう)にも仕掛けがあります。地下フロアをすべて使った巨大「セントラルキッチン」です。目と鼻の先にある銀座総本店と一緒に仕込むことで、効率化がはかれます。

そして、格安になる最大の理由が“見習い職人”です。

握り手は、若手ばかり。実は彼ら、総本店に戻れば「手子(てこ)」と呼ばれる見習い職人。本来、すしを握るどころか、魚をさばくことさえ許されてはいません。

“見習い”職人 山本颯人さん(23)

「大体、銀座のおすし屋さんは10年修行して『握り』がスタートする形なので。こういうお店を作っていただけることはありがたいなと思います」

価格が抑えられているのは「若手職人の勉強代」として、店が負担しているからなのです。

おまかせだけではなく、お好みも破格の安さ。大人気のバフンウニは総本店では一貫3300円のところ980円。骨から煮詰めたタレが自慢の煮アナゴは、かける手間暇は他店の数倍だとか。総本店で一貫1650円が580円。こんなにお安くて、経営は大丈夫なのでしょうか?

ONODERAフードサービス 「鮨 銀座おのでら」

坂上暁史統括総料理長(51)

「ハハハ(笑)正直キツイですよね。利益度外視までは言わないですけれども」

そう答えるのは、ONODERAグループ統括総料理長・坂上暁史さんです。

坂上統括総料理長

「(始めた理由は)いつになったら握らせてもらえるのかなとか、魚さばけるのかなという明確な目標がないと離職につながってしまいますし。であれば、先にまずやらせてあげようと」

この店で腕が認められれば一人前の職人に昇格するという、若手の離職防止にもつながるこのシステム。これまで3人が昇格を果たしました。

彼らは店名の「登龍門」になぞらえて“昇り龍”と呼ばれています。

“見習い”職人 江木直樹さん(22)

「目標は昇り龍になりたいです」

中でも、一際フレッシュな職人が江木さん。昇格を目指す、若き職人の日々に密着しました。