【確かに謎】なんでゴルフやんの!? タイヤメーカーがゴルフ事業に手を出す衝撃のワケ

AI要約

タイヤメーカーがゴルフ用品を手掛ける理由には、技術的な親和性が高いことが挙げられる。タイヤの開発で培ったゴム技術がゴルフボールに活かされ、さまざまな性能が求められる中で転用されている。

また、逆にゴルフ用品の技術がタイヤ開発に応用される例もあり、例えばゴルフボールのディンプルがタイヤデザインに取り入れられることで、省燃費などの効果が得られる。

タイヤメーカーがゴルフ用品を手掛けることで、互いの技術やノウハウを活かし合い、ユニークな製品開発や新たな市場展開が可能になっている。

【確かに謎】なんでゴルフやんの!? タイヤメーカーがゴルフ事業に手を出す衝撃のワケ

 ゴルフ用品の中にはタイヤメーカーが手掛けるブランドがいくつか存在する。ゴルフとタイヤは似て非なるもので共通点がなさそうだが、技術的にもブランド的にもとっても親和性が高い。タイヤメーカーがゴルフ用品を手掛ける理由を解説する。

 文:デグナー12(Team Gori)/写真:デグナー12、写真AC

 ブリヂストンが「ツアーB」や、かつての「ツアーステージ」を含む「ブリヂストンゴルフ」、住友ゴムが「ゼクシオ」や「スリクソン」、横浜ゴムが「プロギア」のブランドでゴルフ用品を製造販売している。タイヤとゴルフに類似点はないように思うが、国内4社のタイヤメーカーの内、3社がゴルフ事業を手掛けているとなればそこには理由があると考えるのが自然だろう。

 その理由は大きく2つ。1つ目はタイヤの開発製造で培った技術をゴルフ用品に転用できるため。ゴルフをたしなむ人であればゴルフボールの中身はゴムであることはご存じのはず。表面こそ硬い樹脂で覆われているが、割ってみればそこにはゴムが詰まっている。

 ゴルフボールには遠くまで飛ぶことと、着地した際に跳ねすぎずに止まってくれるという背反する性能が求められる。ボールによってはゴムが多層構造になっていたり、ゴムの硬度もさまざまで、タイヤを開発する過程で培った各メーカーのノウハウが詰まっている。ゴルフ事業を展開するに至った経緯は各々異なるが、概ね、既存技術を流用できる点が大きい。

 タイヤの技術をゴルフ用品の開発製造に転用するのが基本的な流れだが、ゴルフ用品の技術をタイヤに応用した例もある。横浜ゴムのエコタイヤシリーズの中にはゴルフボールのディンプルと呼ばれる凹凸をタイヤパターンの一部に採用しており、タイヤのショルダー部分にはディンプル形状の溝が配置されている。

 ゴルフボールのディンプルには空気抵抗の低減と揚力を発生させ、よりボールを遠くへ飛ばすという目的があり、タイヤにおいても省燃費に寄与する。ただし、実際はディンプルの面積は多くはないため、空気抵抗よりもディンプルによる放熱性向上のメリットの方が大きいようだが、ゴルフ用品からの逆輸入ともいえる発想がユニークだ。