【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…9月第3週の「米国経済」の動き

AI要約

米ドル円相場の動向に影響を与えそうな先週の米国経済動向について解説。

⼩売売上⾼が予想を上回り堅調さを維持、無店舗⼩売が伸長。

個⼈消費をけん引するコア⼩売売上⾼が4ヵ月連続でプラスとなるなど、成⻑が続く見通し。

【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…9月第3週の「米国経済」の動き

不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

⽶商務省が公表した2024年8⽉の⼩売売上⾼は前⽉⽐+0.1%と、減少するとの市場予想(同▲0.2%)に反して増加しました(図表1)。

加えて、7⽉が速報値の前⽉⽐+1.0%から同+1.1%へ上⽅修正されている点を踏まえても、個⼈消費は引き続き堅調さを維持していると判断されます。

8⽉の⼩売売上⾼を業種別にみると、家具(前⽉⽐▲0.7%)や電気製品(同▲1.1%)などの必需品やガソリンスタンドの販売(同▲1.2%)が伸び悩む⼀⽅で、インターネット通販などの無店舗⼩売(前⽉⽐+1.4%)の伸びが顕著となりました(図表2、図表3)。

8⽉は多くの業種で減少が⽬⽴つなか、ウェイトの⼤きい無店舗⼩売が全体をけん引しました。変動の⼤きい⾃動⾞同部品などを除いたコア⼩売売上⾼も前⽉⽐+0.3%(7⽉:前⽉⽐+0.4%)と4ヵ月連続でプラスとなり、堅調さを維持しています。

四半期ベースでは、2024年1~3⽉期の前期⽐+0.3%から4~6⽉期に同+0.8%へ加速したあと、7~8⽉期は4~6⽉期対⽐で+1.2%へ伸びを⾼める格好となりました。

2024年4~6⽉期の実質GDP(改定値)は前期⽐年率+3.0%と、個⼈消費がけん引する形で⾼成⻑が実現しました。

GDPのうち、個⼈消費の推計に⽤いられるコア⼩売売上⾼が7⽉以降も堅調さを維持している点は、7~9⽉期も個⼈消費主導の⾼い成⻑率が実現することを⽰唆しています。

7⽉の⼩売売上⾼を反映したGDPNow※(アトランタ連銀が9/17に公表)の試算によると、7~9⽉期の実質GDPは前期⽐年率+3.0%と4~6⽉期に続き、2%程度とされる潜在成⻑率を上回る成⻑が続くと予想されています。

(※) アトランタ連邦準備銀⾏が、リアルタイムに⽶国の経済成⻑率を予測することを⽬的に公表している指標