上場廃止が決まり転換期を迎えたケンタッキーの未来

AI要約

ケンタッキーフライドチキンは集客力が低下しており、値上げによる客単価の増加も客数減少を補えず、売上高が前年を下回している。

マクドナルドは同期間において客数、客単価、売上高が増加しており、競合他社に対して優位性を示している。

ケンタッキーは転換期にあり、価格戦略の転換やブランド力の向上が必要となっている。

上場廃止が決まり転換期を迎えたケンタッキーの未来

ケンタッキーフライドチキンの集客力が鈍っています。2024年4-7月の既存店客数は前年同期間の9割。値上げによって客単価は1割近く増加していますが、客数の減少を補うことができず、売上高は前年を下回りました。

同期間のマクドナルドは客数、客単価、売上高ともに増加しています。

ケンタッキーは転換期を迎えており、チキンの軛から脱してマクドナルド化する未来も見えてきます。

ケンタッキーは2023年10月にバーガー類を40~50円、オリジナルチキンを20円引き上げました。客数は値上げのタイミングでガクッと落ちました。9月の既存店客数は前年同月の105.1%でしたが、10月は91.7%となったのです。

なお、既存店とはオープンから一定期間が経過した店舗のことで、新規開業効果が働かないため、ブランドそのものの集客力を見ることができます。

値上げ以降、2024年7月に至るまで、ケンタッキーの客数が100%を回復することはありませんでした。

また、2024年4月の客数は前年の80%近くまで落ちています。ケンタッキーは4月3日に新アプリを導入。旧アプリのリニューアルを行いました。

しかし、ログインできないなどのバグが発生し、批判が相次ぎました。アプリの改悪によってファンから愛想を尽かされたとも言える状況。KFCホールディングスは4月19日に一部利用しづらい状態が続いているとして、謝罪をしました。

一方で強さを見せつけているのがマクドナルド。度重なる値上げを断行し、2024年1月にも一部メニューを10~30円引き上げました。1月から6月まで既存店客数は前年割れを起こしたものの、7月に100%を上回っています。

ケンタッキーの値上げ耐性への弱さが鮮明になりました。

後編ではケンタッキーが歩んできた道のりと、投資ファンド買収後にどう進むのか予想していきます。

文/不破聡