マネーストックM3、8月は+0.9% 預金通貨が14年ぶりの低い伸び

AI要約

日本銀行の発表によると、8月のマネーストック速報ではM3の平均残高が1,608兆円で、前年比0.9%増となった。名目ベースの消費の増加や法人の税金支払いで預金通貨の伸び率が低下した。

M2は1.3%増の1,255兆2000億円で、伸び率は2007年4月以来の低さを記録。残高は4カ月連続で減少した。

広義流動性は2.9%増の2,178兆8000億円で、外債と国債の伸び率が異なる傾向が見られる。

マネーストックM3、8月は+0.9% 預金通貨が14年ぶりの低い伸び

Takahiko Wada

[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日発表した8月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.9%増の1608兆円となった。伸び率は前月の1.0%を下回り、2009年1月以来の低さ。名目ベースの消費の増加や法人の税金支払いで預金通貨が10年9月以来の低い伸び率となったことが要因。

内訳では、預金通貨が前年比2.7%増の982兆6000億円と、前月からプラス幅が縮小した。現金通貨は2.0%減の113兆3000億円で、04年の統計開始以来最大のマイナス幅となった。CDは24.2%減の23兆9000億円。

M2は1.3%増の1255兆2000億円で、伸び率は07年4月以来の低さ。残高は4カ月連続で減少した。

広義流動性は2.9%増の2178兆8000億円。残高は6カ月ぶりに減少した。広義流動性のうち、外債は8.1%増の32兆1000億円。為替円高で伸び率が鈍化した。一方、国債は11.1%増の26兆1000億円と07年10月以来の高い伸び率。個人向け国債が伸びている。広義流動性の速報値はデータが集まらない計数もあり、来月以降に値が修正される可能性がある。