鹿島、山岳トンネル工事を自動化 技術者の安全性向上、順次導入へ

AI要約

大手ゼネコンの鹿島は自動で山岳トンネル工事を行うシステムを開発した。技術者の代わりに六つの工程を自動・遠隔で処理し、安全性と省力化に貢献する。

建設業では高齢化が進む中、自動・遠隔化により非熟練者も作業に参加できるようになり、効率が向上する見込み。

新たなシステムでは爆破パターンの作成など多くの工程を自動化。繊細な作業は重機の遠隔操作で対応し、安全性が向上した。

 大手ゼネコンの鹿島は2日までに、山岳トンネル工事を自動で行うシステムを開発した。これまで技術者が現場で行っていた岩石の爆破やコンクリートの吹き付けなど六つの工程全てを自動・遠隔で処理でき、安全性の向上や省力化につながる。今後各地のトンネル工事に順次導入していく。

 建設業では技能者の高齢化が進んでいる。日本建設業連合会によると、トンネル工事関連では技能者の7割を40歳以上が占め、熟練技能者では9割に上る。自動・遠隔化により、非熟練者も作業に携われ、従来5~6人が必要な工程をほぼ半分の3人でできるようになる。

 山の中を掘り進むトンネルの工事では(1)爆薬を詰める穴を掘る(2)爆薬を装填し爆破(3)土砂を除去(4)凸凹を削って整形(5)コンクリートを吹き付け(6)壁への補強材を打ち込む―という6工程を繰り返す。新たなシステムでは、最適な爆破パターンの作成など多くの工程を自動化した。

 繊細な作業が必要な(3)と(4)は、重機の遠隔操作で対応。危険なトンネルの先端部に人が近づかずに作業できるようにした。