伊勢丹の「高級フードコート」ってどんなところ? 板前寿司も食べられる、大迷宮・横浜駅地下のオアシス
横浜駅西口の大規模ショッピングセンター内にある「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」のフードコートを訪れる
横浜駅を日本のサグラダ・ファミリアと呼ぶ理由や歴史、再開発計画について探る
横浜駅周辺の長い工事や発展の歴史について考察しつつ、フードコートの魅力も紹介
時にレストランであり、喫茶店であり、高齢者の集会所にもなる「フードコート」。その姿は雲のように移り変わりが激しく、楽しみ方は無限大。例えるなら「市井の人々のオアシス」だ。
本連載では、そんな摩訶不思議・千変万化な「フードコート」を巡り、記録しながら、魅力や楽しみ方を提唱していく。
今回は、横浜駅西口にある大規模ショッピングセンター「ジョイナス」内の一角「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」を構成するフードコートを訪問する。
名実ともに神奈川県の中心地であり、東京に近いながら独自の文化圏を築く横浜の玄関口として知られる横浜駅だが、果たして伊勢丹のフードコートとはどのようなものか。「日本のサグラダ・ファミリア」とも呼ばれる駅周辺を歩きながら、探っていこう。
■もはや本家超え? 「日本のサグラダ・ファミリア」
横浜駅は、一部では日本のサグラダ・ファミリアと呼ばれるほどに長い工事が続いてきた。スペインの本家サグラダ・ファミリアは1882年に着工し、2026年に完成予定とされる一方、解釈にもよるが、横浜駅のほうが工事が長引いているといえなくもない。
【画像29枚】6社局が乗り入れる横浜駅。ジョイナス地下「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」にあるフードコートは、高級感がありつつ、雑多なニーズにも対応
もともと、横浜駅が開業したのは1872年。新橋~横浜間で日本最初の鉄道が開業した際にオープンした。実はこの横浜駅を初代とすると、現在の横浜駅は3代目に該当する。
というのも、初代横浜駅は、1915年に国道1号の高島町交差点付近で新・横浜駅が開業すると同時に桜木町駅へと改称。しかしそのわずか8年後、関東大震災で消失してしまい、1928年に3代目として開業したのが、現在の横浜駅である。
そこから戦災もあり、戦後復興の開発や再開発が今に至るまで途切れることなく続いてきた。これが「日本のサグラダ・ファミリア」と揶揄されるゆえんだ。
現在も老朽化した駅や周辺を整備する計画「エキサイトよこはま22」が進行中であり、2030年ごろまで続くとされる。1872年から2030年と考えると、その期間はサグラダ・ファミリアより長く、いずれはサグラダ・ファミリアのほうが「スペインの横浜駅」と呼ばれる時代が来てもおかしくない。