南海トラフ地震で家が燃えても「火災保険」は適用されない…元国税局職員「これだけは加入すべき2つの保険」

AI要約

公的医療保険の内容と手厚さを理解することで、民間医療保険への必要性を見極めることができる。

高額療養費や傷病手当金など、会社員に対する公的医療保険の手厚い保障が存在する。

公的医療保険によって、自己負担額が限定されたり、医療費のカバレージが増えたりするため、保険料の節約効果も期待できる。

種類がたくさんある保険は、どうやって選べばいいのか。元東京国税局職員の小林義崇さんは「手厚い公的医療保険がある会社員は、民間の医療保険に入る必要はそれほどない。ただし、お伝えする2つの保険にだけは加入したほうがいい」という――。

 ※本稿は、小林義崇『僕らを守るお金の教室』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

■高額療養費、傷病手当金、障害基礎年金…

 「日本人は保険好き」といわれます。たとえば、代表的な医療保険つきの生命保険。日本の世帯のうち約7割が加入しています。

 この割合はアメリカの加入率と同程度なのですが、アメリカの場合、公的医療保険が十分でないため、民間医療保険に入らざるを得ない事情があります。

 でも日本には優れた公的医療保険があり、民間医療保険はそれほど必要ないといえます。

 医療費が100万円超えなど高額になっても、自己負担額には上限があることをご存じでしょうか?

 公的医療保険の保障内容は働き方などによって差がありますが、とくに会社員の場合は次のような手厚い保障が用意されています。

 【会社員に対する保障】

・病院代がたくさんかかった→「高額療養費」で医療費の負担が減り、「医療費控除」で税金が減る

・病気の入院で仕事を長く休んだ→「傷病手当金」で給料の3分の2程度をもらえる

・後遺症が残って障害を負った→「障害基礎年金」と「障害厚生年金」をもらえる

■100万円の医療費も、自己負担は10万円以内

 このように公的医療保険が私たちを守ってくれていることを知ると、将来への不安が少し和らぎませんか。また、民間の医療保険に必要以上に頼ることがなくなるので、月々の保険料の節約にもつながります。

 たとえば年収500万円の人が1カ月で100万円の医療費がかかった場合、高額療養費を使えば自己負担は8万7430円。差額の約91万円は公的医療保険がカバーしてくれ、自己負担は10万円もかかりません。

 日本に住むほぼ全員が何らかの公的医療保険に加入しています。そして、この公的医療保険のおかげで、病気やケガで病院に行ったとき、治療費が(知らず知らず)安くなる恩恵を私たちは受けています。

 公的医療保険には複数の種類があり、大きく「健康保険」と「国民健康保険」の2タイプに分かれます。

 会社員が加入するのが健康保険。大手企業は「健康保険組合」、中小企業は「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の健康保険から医療費などの補助を受けられます。

 一方、自営業者や学生、無職などの人の場合は、役所を通じて「国民健康保険」に加入します。