「正体」を明かせばノーベル賞確実!宇宙の95%を支配する「計測不能な“2つのダーク”」とは?東大宇宙博士がやさしく解説

AI要約

宇宙の中身の内訳について、ふつうの物質が全体の5%しか占めていないことが示される。

残りの95%は正体不明のダークエネルギーとダークマターで構成されており、我々が知っていることは宇宙全体の一部に過ぎないことが明らかになる。

常識や常識と思われていることが必ずしも正しいとは限らないという考え方についても言及されている。

「正体」を明かせばノーベル賞確実!宇宙の95%を支配する「計測不能な“2つのダーク”」とは?東大宇宙博士がやさしく解説

「小惑星探査」や「火星移住」などのニュースから、UFO、宇宙人の話題まで、私たちの好奇心を刺激する「宇宙」。だが、興味はあるものの「学ぶハードルが高い」と思う人も少なくない。

知らなくても困らない知識ではあるが、「ブラックホールの正体は何なのか」「宇宙人は存在するのか」など、現代科学でも未解決の「不思議」や「謎」は多く、知れば知るほど知的好奇心が膨らむ世界でもある。また、知見を得ることで視野が広がり、ものの見方が大きく変わることも大きな魅力だろう。

そんな宇宙の知識を誰でもわかるように「基本」を押さえながら、やさしく解説したのが、井筒智彦氏の著書『東大宇宙博士が教える やわらか宇宙講座』だ。「会話形式でわかりやすい」「親子で学べる」と井筒氏が行うイベントでも読者からの言葉が届いている。

その井筒氏が「宇宙を構成する正体不明のもの」について解説する。

■私たちが知っている宇宙はたった「5%」

 私たちが考える「ふつう」、じつはこれが「非常識」でマイノリティな立場かもしれない――そう考えたことはありますか? 

 なぜこんなことを言い出したのか。それを説明するために、まずは宇宙の「中身」の内訳について話したいと思います。

宇宙の「中身」の内訳

ふつうの物質5%

正体不明の物質(ダークマター)26%

正体不明のエネルギー(ダークエネルギー)69%

 ここでいう「ふつうの物質」とは、私たちの身の回りにあるもの(たとえば、本、食べ物、生き物)や、宇宙にある天体を指します。

 なんと、一見膨大に見えるこれらすべてをひっくるめても、「宇宙全体のたった5%にすぎない」のです。

 そして、宇宙全体の69%は正体不明のエネルギー「ダークエネルギー」で、26%は正体不明の物質「ダークマター」。

 つまり、「宇宙の95%は正体不明」なのです。

 私たちが知っていることは、宇宙全体から見ればほんの一部に過ぎなかったのです。

 人間はつい、自分の身の回りにあるものを「ふつう」とか「常識」だと思ってしまいますよね。

 しかし、宇宙の内訳からわかるように、私たちが一般的に常識だと思っていることは、必ずしも正しいとは限らないのです。