「ロータリーエンジン搭載のスポーツカー」都内で特別展示! マツダの名車RX-7の後継と目された「RX-01」はどんなコンセプトカーだった?

AI要約

「RX-01」は1995年の東京モーターショーで初公開され、注目を集めたマツダのコンセプトカー。

操る楽しさを追求したスポーツカーで、後継モデルとして期待されたが市販化には至らなかった。

現在、東京のマツダディーラーで2024年9月1日まで展示中。

マツダ「RX-01」はロータリーエンジン搭載の2ドアスポーツカーで、全体的なデザインやパワートレインにこだわりが見られる。

軽量化やエアロダイナミクスも重視され、新素材の活用やボディ剛性の向上なども試みられていた。

現在、展示されている「RX-01」は市販化には至らなかったが、マツダディーラーでの展示により再注目を集めており、今後新たなロータリーエンジン搭載スポーツカーの可能性も期待されている。

「ロータリーエンジン搭載のスポーツカー」都内で特別展示! マツダの名車RX-7の後継と目された「RX-01」はどんなコンセプトカーだった?

「東京モーターショー1995」で世界初公開され、当時、マツダ「RX-7」の後継モデルではないかと注目されたロータリーエンジン搭載のコンセプトカー「RX-01」。

 そんな夢のスポーツカーが、2024年9月1日まで東京のマツダディーラー「関東マツダ洗足店で展示中です。

 マツダ「RX-01」は「東京モーターショー1995」にて世界初公開され、多くのクルマ好きが「これぞ『RX-7』の後継モデルだ!」と夢中になったロータリーエンジン搭載の2ドアスポーツカー。

 パワートレインには新開発ロータリーエンジンの搭載を予定し、後輪を駆動するFRレイアウトを採用するなど、操る楽しさを追求した1台でした。

 エクステリアデザインは、FD3S型「RX-7」を想起させるグラマラスなルックスが印象的。全長が短く、全幅がワイドかつ全高が低いスーパーカーのようなプロポーションにより、FD3S型「RX-7」よりもコンパクトに仕立てられていました。

 コンパクトなスポーツカーながら、「RX-01」は2シーターではなく、狭いながらもリアシートを確保。この2+2のレイアウトもFD-3S型「RX-7」の美点を継承していました。

 コックピットのデザインは、古典的なスポーツカーのそれ。3本スポークのステアリングホイール1万回転まで表示のあるエンジン回転計、そしてコックピットの中央には5速MTのシフトレバーが位置していました。

●軽量化やエアロダイナミクスの追求にもトライ

「RX-01」への搭載が想定されていたマルチサイドポート・ロータリーエンジン“MPS-RE”は、13B型エンジンをベースとする654cc×2ローター。サイドハウジングに排気ポートを設け、オイルの潤滑にはドライサンプ式を採用するなど、まさに新発想の自然吸気式ロータリーエンジンでした。

 その結果、最高出力は220ps/8500rpm、最大トルク22.0kgm/6000rpmを発生。さらに、ターボチャージャーのない自然吸気式とすることでエンジン単体はさらにコンパクトかつ軽くなり、フロントミドシップレイアウトの採用でフットワークも向上していました。

 そんな「RX-01」は、サスペンション形式こそFD3S型「RX-7」と同じ前後ダブルウィッシュボーン式でしたが、バネ下重量の軽減を図るべく、ブレーキのキャリパーやローターはアルミ製に、ホイールはマグネシウム製と新素材の採用にも積極的でした。

 こうした軽量化の恩恵により、1100kgという軽い車両重量を想定していたのも印象的です。

 また「RX-01」は、短いフロントノーズにエアダクトを設け、フロントバンパー部から入ってきた空気がここを抜け、リアへとスムーズに流れるなどエアロダイナミクスも追求されていました。

 さらにボディでは、前後のメインフレームを連結する“ハイマウントバックボーンフレーム”を採用。ボディ剛性の向上を図るなど現代的なトライが見て取れます。

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 残念ながら市販化には至らなかった悲運のスポーツカー「RX-01」ですが、その実車が2024年9月1日まで、東京都大田区の「関東マツダ 洗足店」のショールームに展示されています。

 同店は、新コンセプトを導入した“黒いマツダ店”のパイロット店舗であり、新世代店舗のガイドライン策定の参考になった店舗として2013年11月に誕生。現在、新世代店舗オープン10周年を記念して、洗足店スタッフたちが自ら考えたさまざまなイベントを展開しています。

 今回、「RX-01」が展示されたのもその一環。先日は「RX-01」を前に、ND型「ロードスター」の元開発主査である山本修弘氏のトークセッションも開催されました。

「RX-01」はコンセプトカーのまま、市販車の販売には至りませんでしたが、昨今、マツダはロータリーエンジン搭載のスポーツカーをイベント等で積極的に再展示しています。

「ジャパンモビリティショー2023」に新たなスポーツコンセプトカー「アイコニックSP」を出展して以来、マツダでは“ロータリー推し”の状況が続いているように見えます。そのため近い将来、ロータリーエンジンを搭載する新たなスポーツカーが誕生するのではないかと期待に胸がふくらみます。