「台風」で屋根が吹き飛び、まさかの全面リフォームに。戸建てはマンションと違って「修繕積立金」がないのでお得と思っていました…。

AI要約

マンションの定期的な大規模修繕と、一戸建ての後回しになりがちなリフォームの比較

マンションの修繕積立金不足の問題と具体的な算出方法

老後の生活を考えたマンションと一戸建ての選択についての悩み

「台風」で屋根が吹き飛び、まさかの全面リフォームに。戸建てはマンションと違って「修繕積立金」がないのでお得と思っていました…。

マンションの場合は定期的に大規模修繕があり、これは長期的な計画に基づいて行われます。

一戸建ての場合は計画書のようなものがないので、ついつい後回しになりがちです。その結果、大掛かりなリフォームが必要になった事例がいくつもあります。

マンションの修繕積立金との比較とともに考えたいと思います。

先日2人の知人と話す機会がありました。Aさんの自宅は築30年の一戸建て、Bさんは築25年のマンションに住んでいます。Bさんのマンションは来年大規模修繕工事が入るそうです。

「昨今の材料費や人件費の高騰のため、費用は当初の予定より2割程度高額になる」と工事見積もりを依頼している施工業者にいわれたそうです。

2割をどう捻出するのかは大きな問題です。Bさんによると、築12年目に行われた1回目の大規模修繕の時も予算オーバーになり、一時金で徴収することになったそうです。この時はそれを機に、住民の1割程度が物件を売却したそうです。

世間でも、マンションの修繕積立金の積立金不足が懸念されています。国土交通省では「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(※)の中で、修繕積立金の額の目安の算出方法などの情報を提供しています。

例えば、下記の図表1のような平均値を使えば、修繕積立金の概算を知ることができます。

(図表1)

10階建て、建築延べ床面積が8000平方メートルのマンションで専有床面積が80平方メートルの場合、毎月の修繕積立金の目安は 80平方メートル×252円/平方メートル・月=2万160円 となります。

「1回目の大規模修繕の後、修繕積立金の見直しを行ったのに、昨今の物価上昇には追い付かなかった」とBさんは悔しい思いを話していました。

この話を聞いていたAさんから「老後の生活を考えるとマンションから郊外の戸建てに引っ越しを考えてはどうか」と提案がありました。“毎月の修繕積立金に加えて、10年ごとにさらなる出費がかさむのなら”というのが理由です。

ですが、駅から徒歩5分の好立地に建つマンションです。老後を考えると、買い物や病院通いなどに便利なことが優先されます。また老化が進んだ時のことを考えると、フラットな居住空間が良さそうです。

マンションか一戸建てか、という選択は個人個人で違いますので答えはありませんが、1つ気になったことがありました。Aさんは“自宅のリフォームをほぼしていない”というのです。「1回ぐらいは外壁をリフォームしたかな」と、何ともあやふやです。とても心配になりました。