元SKE48“うめまど”、トヨタ・ハイラックスで念願のグラベルラリーに挑戦!【梅本まどかのラリー日記010】

AI要約

梅本まどかさんがXCRスプリントカップ北海道第3戦に参戦し、初めてのグラベルラリーに挑戦した経験を振り返る。

彼女は驚くべきリタイア率と英語のペースノート読みに挑戦し、クラス優勝を果たした。緊張感溢れるレースでの出来事や反省点も明かされた。

また、次なる挑戦であるラリー北海道に向けて意気込みを語っている。

元SKE48“うめまど”、トヨタ・ハイラックスで念願のグラベルラリーに挑戦!【梅本まどかのラリー日記010】

元SKE48のアイドルであり、モータースポーツ好きでWRCラリージャパンにも参戦する“うめまど”こと梅本まどかさんのラリー日記。久々の今回は、7月に行なわれた「XCRスプリントカップ北海道」編をお届け。

REPORT:梅本まどか(Madoka UMEMOTO)/PHOTO:梅本まどか、渡辺文緒(Bun WATANABE)初尽くしで楽しみだった「XCRスプリントカップ北海道第3戦」

2024年7月6~7日に行われた全日本ラリー選手権第6戦「2024 ARK ラリー・カムイ」。私はいつものモリゾウチャレンジカップではなく(北海道の2戦は行われない)、「XCRスプリントカップ北海道第3戦」にCUSCO Racingからコ・ドライバーとして参戦させて頂きました。

ドライバーは昨2023年もこのXCRスプリントカップ北海道 XC-2クラスのチャンピオンになった番場彬選手(ばんば あきら)。今回はトヨタ・ハイラックスという初めての車両、初めて組むドライバーさん、そして念願のグラベルラリー(未舗装路)に参戦という事で、決まった時からとても楽しみにしていたラリーだったのです。

実は去年から「私はラリージャパンなどにも参戦させて頂いているけど、参戦歴をたどるとターマック(舗装路)ばかり。"ラリーはグラベルが面白い"といろんな方から話を聞くけど、グラベルラリーのどんなところにみんなは面白いと感じているのか!?」と考えるようになっていました。

それから、2024年のラリー活動をするにあたり「グラベルラリーに絶対に出たい! そこで経験値を積みたい!」と思い、Wellpine Motorsportの松井監督やCUSCO Racingの長瀬社長とお話をさせて頂き、ラリーカムイに参戦できる事になりました。

しかも、ドライバーは経験豊富な番場選手!(※番場選手は“優勝請負人”との異名もあり!)

ということで、私はとても楽しみにしていたのです。

初めてのグラベルで驚いたこととは?

実際に参戦して1番驚いたのは、グラベルラリーってこんなにリタイア車が多いの!?という事。

ラリーはクルマの速いクラスからタイムアタックするので、全日本ラリー選手権のJN-1からJN-6クラスが走り、次にオープンクラス。XCRスプリントカップは最後に走ります。2日目は1日目の順位でトップからになりますが、1日目はほとんどがクラス順にスタートしていくのです。

私たちは今回ゼッケン69だったので、前に約70台の車両が走るのですが、土・日ともに路面はウエット。かなり滑りやすくなっている事に加えて、しっかりとノートが作れないとリタイアしてしまうような場所が多く、"気をつける"とレッキで話していた場所には必ずリタイア車がいる…という状況でした!

土曜日のLeg1のレグ離脱、リタイア合わせて15台。日曜日のLeg2でも12台と、かなりサバイバル戦。こんなラリーは初めてで、ある場所では2、3台が近い場所でコースアウトしてしまったため、両サイドから2人ずつOKマークを出すシーンもあり「こんなに難しいんだ」と体感した瞬間でした。

先程、ペースノートに注意と書いていた場所にリタイア車がいたと書きましたが、これは番場選手のノートの作り方が上手でベテランドライバーだからできる、知っているテクニックというのが今回大きな学びの1つ。

これだけのリタイア車が出たのですが、JN-1クラスは実はリタイア車が出ておらず、12台中12台がしっかりと完走しているのです。

ベテランドライバーのノート作りの凄さ、知っているポイントがいかに大事かは、グラベルラリーの方が分かりやすく出るのだな…と感じ、また、番場選手にノート確認などレッキの時に教えてもらいながら走れたので、グラベルラリーの難しさはもちろんですが、知識としていろんな事を教えて頂けたので、知りたかった事が身になったラリーとなりました。

これも初めて、英語でペースノートを読む!

最初に初ペア、初めての車両というお話をしたのですが、私にはもう1つ初めての事がありました。

それは「英語でペースノートを読む」ということ。

番場選手のペースノートは英語なのですが、練習ではやったことがありましたが、実践では初めて!

1ヵ月くらい前から2023年のインカー動画を頂いて、コ・ドラの加勢選手が読んでいるノートの言葉をずっとリピートして読む練習をしていたのです。が、番場選手ならではの言葉やノートの作り方もあり、初めて聞く言葉になんとなく“こんな感じかな?”と思って練習をしていき、レッキの日の朝、番場選手に聞くと思っていた言葉と違った!なんて事も。

いろんな用語や使い方を知ることができた事も今回、面白かったポイントの1つです。

また、他の人のノートを見ることもなかなか無かったのですが、去年使った加勢選手のノートも貸して頂く事ができ、どう略して書いているのか、何をSS(スペシャルステージ)前にメモしたりしているのかなど、分かりやすくなっていて、ノート読みだけでなく、ラリー全体を通してどうしているかなどの勉強もできて、ホントに今年1番、収穫の大きなラリーでした。

番場選手と組む事で、星選手(モリゾウチャレンジカップ)と組んだ時にこうしたらよかったな…など、いろんな反省点や自分に足りていないところがより明確になっていった事は、予想以上の収穫。

グラベルとターマック、もっと別物かな?と思っていたのですが、ラリーという競技を通して、番場選手からはもちろんですが、今回は同じクスコチームから2台、サービスでは5台参戦という事もあったので、CUSCO Racingさんはじめ、サービスをしてくださったK.Z.F SE RVICEさんからたくさんの事を教えて頂けた事も大きかったです。

やった~! クラス優勝♪

番場選手の安定した圧巻の走りで、結果はクラス1位♪

【2024年全日本ラリー選手権第6戦–2024 ARK ラリー・カムイ XC-2クラス リザルト】

(順位/ゼッケン/ドライバー名・コ・ドライバー名/エントリー車両名)

1位 69 番場 彬/梅本まどか CUSCO YHジオランダー HILUX

2位 73 寺川和紘/石川美代子 TOYOTIRES MAZDA CX-5

3位 74 竹岡 圭/山田政樹 圭rp×TOYOTIRE×三菱トライトン

4位 72 羽根田 琴/加瀬直毅 CUSCO TOYOTIRE HILUX

- 70 浅井明幸/笠井開生 TY北海道三菱エクリプスクロスPHEV

- 71 橘礼 太/渡邊雄矢 ジオランダーAT/4SFトヨタHILUX

が、実は1度だけ危なかった場面がありました。

それはLeg2の1本目SS7「NEW SUN-RISE」という3.59kmの短い距離のギャラリーステージ。この日はサービスパークも路面がグチャグチャで、歩いていても普通に滑ってしまうような状況でした。実際に朝、歩いていると"ぬるっ"と滑りかけて全身泥まみれになりそうになった瞬間があったのですが、このSS7でノートを読んでいたら、同じような感覚がシートから伝わってきたのです。

正直、ハイラックスという大きな車両なので相当な事がない限りは大丈夫だと思っていたのですが、あまりにも朝感じた滑っていくのと全く同じ感触がSS7中に起きたので、初めてラリーをやっていて、肝が冷えるというのはこの事か!と思うくらいヒヤッとしちゃいました。

しかし、番場選手のテクニックでどうにか持ち直し、ギャラリーの前も華麗にカッコよく走れたのですが、この瞬間だけは動揺してしまい、上手くノートが読めなくなってしまった事が今回1番の反省点です。

動揺せず普通に読みたかったのですが、慣れていない英語読みというのもあり、中々スムーズに声になりませんでした。

今年はクラッシュなども経験していますが、これだけヒヤッとした事がなく、感覚としていろんな引き出しが増えた事も嬉しかったです。

ラリーは1戦出るだけで経験値が全然違うと言われていましたが、この1戦は特にその大きさを感じました。

次も北海道のグラベルラリー、応援ヨロシクお願いします!

正直、全日本ラリー選手権と併催であるこのXCRスプリントカップで、初めてクラス優勝でき、「ラリーチャレンジ以来だね!」とたくさんの方にお祝いして頂けて、「あ、ホントだ、勝ったんだ♪」と嬉しい感情が出てきました。

番場選手は、今年も参戦数は少ないですが、シリーズ優勝を狙っているので、それに貢献できた事が何より嬉しいです。

雨のグラベルラリーはメカニックさんがホントに大変で、皆さん一生懸命マシンを毎回綺麗にして送り出してくれました。新型のハイラックスという事で、いろんな関係者の方がリエゾンやギャラリーステージで応援し、見守って下さっていたこのチーム感や、みんなで喜べた事も嬉しかったです。

今年は番場選手ともう1戦、一緒に組ませて頂く事が決まっています。2024年9月7~8日に北海道で行われる「ラリー北海道」。XCRスプリントカップは第4戦になります!

エントリーリストも発表されており、私たちは#109になりました。

ラリー北海道はラリー関係者が「特別な1戦」といつも話しているのを聞いていて、私の1番出たかったラリーになります。

ラリー・カムイは学ぶ事ばかりでしたが、そこで学んだ事を活かして、ラリー北海道でも番場選手のシリーズ優勝に貢献できるよう頑張ってきます!

皆さん、ぜひ応援よろしくお願いします!!

【梅本まどかのラリー活動2024年間スケジュール】

(カテゴリー・格式/大会名称/日程/場所)

JAF 全日本ラリー選手権 第1戦 Rally三河湾 3月1~3日/愛知県(※終了)

JAF 全日本ラリー選手権 第2戦 ツール・ド・九州 in 唐津/4月12~14日/佐賀県(※終了)

JAF 全日本ラリー選手権 第3戦 久万高原ラリー 4月26~28日/愛媛県(※終了)

JAF 全日本ラリー選手権 第4戦 YUHO RALLY TANGO/5月10~12日/京都府(※終了)

JAF 全日本ラリー選手権 第5戦 MONTRE/6月7~9日/群馬県(※終了)

XCRスプリントカップ北海道 第3戦 ARKラリー・カムイ(全日本ラリー併催)/7月5~7日/北海道(※終了)

XCRスプリントカップ北海道 第4戦 RALLY HOKKAIDO(全日本ラリー併催)/9月6~7日/北海道

JAF 全日本ラリー選手権 第8戦 ラリーハイランドマスターズ/10月18~19日/岐阜県

FIA 世界ラリー選手権 第13戦 フォーラムエイト・ラリージャパン2024/11月21~24日/愛知・岐阜