売店従業員ハサミ紛失で新千歳空港が大混乱…責任どこに? お盆Uターンラッシュで4万人に影響

AI要約

新千歳空港内でハサミが紛失され、保安検査が中断され36便が欠航、4万人以上の乗客が影響を受ける。

紛失されたハサミは18日になって発見されたが、公表が遅れた理由は確認作業に時間がかかったため。

利用客が旅程変更を余儀なくされ、今後の補償や責任の所在については調査が進められる。

売店従業員ハサミ紛失で新千歳空港が大混乱…責任どこに? お盆Uターンラッシュで4万人に影響

 まったく人騒がせな話だ。

 札幌・新千歳空港内の制限エリアにある売店で17日、ハサミがなくなり、およそ2時間にわたって保安検査が中断。同空港発着の36便が欠航し、201便に遅れが生じた。お盆のUターンラッシュと重なり、4万人以上の乗客が影響を受けた。

 ところが、19日になって空港を運営する北海道エアポートは紛失した売店の従業員が前日の18日午前中、店舗内でハサミを発見したと発表。ハサミは使用するたびにカギ付きの保管庫から取り出すことになっていた。公表が遅れた理由については、紛失したハサミと同じものかどうか、確認作業に時間がかかったという。

「ハサミがなくなった」

 売店から空港エアポートに連絡が入ったのは17日午前10時ごろ。空港内のモニターには「制限エリア内において機内持込制限品の確認のため、保安検査場の通過を一時中断しております」という案内が表示された。すでに機内に乗り込んでいた乗客を含め、保安検査済みの利用客すべてを出発ロビーから退出させ、エリア内を確認したが、ハサミは見つからなかった。2時間後、再度、保安検査を実施したため、検査場の前には長蛇の列ができた。

 欠航や遅れにより、利用客は旅程の変更を余儀なくされた。翌日以降に予約を振り替えたり、新幹線の切符を購入して東京に向かう旅行客もいた。前日16日も台風7号の影響で新千歳空港と羽田や成田を結ぶ100便以上が欠航したが、今回は明らかに「人災」だ。

■ハサミを紛失した経緯については引き続き調査

 個別の補償や責任の所在はどうなるのか。

「それはこれからです」と北海道エアポートの担当者はこう説明する。

「お客さまが航空会社からどういうチケットを購入しているか。通常は現地まで送り届けることが目的で、時間については約束していません。とはいえ、今回のケースは原因がはっきりしていますので、社内で協議します。個別に対応するかについても協議中です」

 ハサミを紛失した経緯については引き続き調査を進めるという。

「こんなケースは聞いたことがありません。安心安全を第一に考えていますので、起きてしまったことへの対応としてはこうするしかありませんでした。もし何か起きたら取り返しがつかないので100%安全を確保したうえ、再度全員の検査を行い、再開しました。今後はこういったことが起こらないようにするためにはどうしたらいいか、そこに尽きます」(北海道エアポート担当者)

 何もなかったから良かったものの、ただでさえ旅行帰りでクタクタの中、空港売店の管理ミスで足止めをくらい、振り回された利用客はたまったもんじゃない。