海外売上比率60%超。世界に広がる「UMAMI」──味の素が次に目指すのは「10億人のウェルビーイング」

AI要約

味の素の創業から現在までの100年以上の歴史を振り返り、健康や食に対するビジネスの取り組みを紹介した。

創業の始まりや「うま味」の発見、グルタミン酸の重要性、ASV経営の取り組みなどを紹介した。

味の素の製品群やビジネスの多様性、アミノ酸の技術を活用した取り組みについて紹介した。

海外売上比率60%超。世界に広がる「UMAMI」──味の素が次に目指すのは「10億人のウェルビーイング」

“Eat Well, Live Well.” のコーポレートスローガンでおなじみの味の素。

調味料や食品を中心に、幅広い製品群をグローバルに展開する同社の100年以上にわたる歴史はいかに始まり、発展を遂げてきたのか。

健康や生きる喜びと直結する「食」にまつわる、“ビジネスを通じた社会貢献のあり方”を紐解く。

味の素の創業は1909(明治42)年。その始まりは、一人の科学者による「うま味」の発見だった。

ある時「湯豆腐はなぜおいしいのか?」と考えた東京帝国大学教授の池田菊苗博士は、湯豆腐に使われる昆布だしには、4つの基本味である「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」のほかにもう一つの味があると確信。

研究の末に、おいしさの正体はグルタミン酸というアミノ酸の一種であることを突き止め、この味を「うま味」と命名した。

ドイツ留学時には、現地の人々の体格や栄養状態の良さに驚いたという池田博士。

「日本人の栄養状態を改善したい」という思いを原動力に研究に没頭した結果、グルタミン酸を原料とするうま味調味料の製造方法を発明し、1909年に世界初のうま味調味料「味の素®」が発売された。

今では世界で知られる「UMAMI(うま味)」。

創業当時からの「おいしく食べて健康づくり」という思いは脈々と受け継がれ、現在は調味料にとどまらず、加工食品、サプリメント、医療用食品、栄養ケア食品と幅広い製品群を展開。さらに、アミノ酸の技術を応用した化粧品原料や電子材料の製造・販売にも注力している。

味の素は世界各国に120の工場を持ち、グループ全体で約3万4000人の社員が働くグローバル企業へと成長を遂げた。その経営の軸となっているのが「Ajinomoto Group Creating Shared Value」、略して「ASV」だ。

「お客様に製品やサービスを購入いただくことで利益を得る『経済価値』は、その製品・サービスや事業を通じた社会課題の解決につながる『社会価値』の創出によって生み出すこと。

これが私たちの目指すASV経営です」(味の素株式会社 グローバルコミュニケーション部 石川有紀子さん)

さまざまな素材や技術を生み出し、人・社会・地球のWell-beingに貢献してきた味の素。独自の科学的アプローチである「アミノサイエンス®」を通じて、“Eat Well, Live Well.” を体現している。

「おいしさや栄養を与える、体の調子を整えるなど、アミノ酸にはたくさんの機能があります。それらを使いながら私たちは100年以上にわたり多様な製品を生み出し、技術を蓄積してきました。

アミノサイエンス®の力で、これからも味の素グループにしか実現できない価値を生み出していきたいと考えています」(石川さん)