BIMとは何か? 3分でわかる3D CADやCIMとの違い、普及しない理由とは

AI要約

BIMとは、コンピューター上の3次元の形状情報に、建物の属性情報などを内蔵した建物情報モデルを構築するシステムのことだ。BIMを設計から施工までの工程に活用すれば、業務の効率化が実現する。

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略称で(ビムと読む)、建物の設計や施工、維持管理などの業務で使用されるソフトウェアを指す。

BIMを使うと、実際に建物を建設する前に、コンピューター上に建物の3Dモデルを簡単に構築できる。完成イメージに近い建物の3Dモデルを確認しながら、建物の設計図を調整・検討することができるため、設計プロセスがスムーズになる。

BIMとは何か? 3分でわかる3D CADやCIMとの違い、普及しない理由とは

 BIMとは、コンピューター上の3次元の形状情報に、建物の属性情報などを内蔵した建物情報モデルを構築するシステムのことだ。BIMを設計から施工までの工程に活用すれば、業務の効率化が実現する。設計時点でミスを可視化できたり、すべての情報を一元化できたりするなど、メリットは計り知れない。しかし、日本における普及率は、米国やイギリス、ドイツなどに比べて低い水準で推移している。BIMは、日本の建築産業の課題を解決する救世主になるか。本記事では、そもそもBIMとは何かを分かりやすく解説しつつ、BIMの日本における普及率を見ながら日本で普及が進みにくい理由について解説する。

 BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略称で(ビムと読む)、建物の設計や施工、維持管理などの業務で使用されるソフトウェアを指す。

 BIMを使うと、実際に建物を建設する前に、コンピューター上に建物の3Dモデルを簡単に構築できる。完成イメージに近い建物の3Dモデルを確認しながら、建物の設計図を調整・検討することができるため、設計プロセスがスムーズになる。

 たとえば、2次元の図面を基に検討を進める場合、実際に建てた後に、柱・梁とダクト・配管などの躯体・設備が重なっていないか(干渉チェック)や、建物と周辺環境の日当たりの関係性はどうか、といったことを事前にチェックすることは難しかった。しかし、BIMを使えば、実際に建築を始めてから発覚していたこれら問題に設計段階から気づけるようになるため、建設プロセス全体の生産性が向上する。

 また、3Dモデルや3Dモデルに紐づく図面情報と一緒に、その建物に必要になる部材の個数や仕様、概算費用、修繕が必要になる時期、工程や施工に要する時間など、関連する情報を統合・管理できる。そうなると、BIMの情報を確認するだけで、完成イメージだけでなく、工数や施工にかかる時間、コストなどのさまざまな情報を把握できることから、建設プロジェクトに関わるメンバー同士の意見交換や合意形成に役立つ。

 さらにBIMでは、管理しているあらゆるデータが連動して動いてくれる点も特徴だ。従来は使用する部材の仕様や種類などに1カ所でも変更があれば、それに伴い設計図を変更したり、施工にかかる工数を計算し直したりと、関連する箇所の修正に膨大な時間をとられていた。しかし、BIMモデルであれば、BIM上に1カ所変更を加えると、関連する箇所の修正は自動で行われるため、修正に要していた時間を大幅に短縮できるのだ。

 また、関連するすべての箇所に修正が自動で反映されることにより、修正漏れのままプロジェクトが進んでしまう状況も回避できる。実際に建築する現場で、「運び込まれた建材のサイズが異なっている」「実物と図面の内容にかい離がある」といった事態を防げるのだ。