救急業務の円滑化に マイナ保険証の実証事業 飯田広域消防本部【長野県】

AI要約

長野県飯田広域消防本部がマイナンバーカードを活用した実証事業を開始救急業務で傷病者の情報把握を行い、的確な応急処置につなげる全国での導入を目指している取り組みである

救急業務の円滑化に  マイナ保険証の実証事業  飯田広域消防本部【長野県】

 長野県飯田広域消防本部は9日、健康保険証と一体化したマイナンバーカード(マイナ保険証)を救急業務で活用し、傷病者の情報を把握する実証事業を開始した。救急隊員が傷病者の通院履歴や服薬情報を把握することで的確な応急処置につなげる。

 総務省消防庁が全国67消防本部で実証事業を行っており、来年度に全国での導入を目指している。県内では飯田本部を含めて3本部で実施している。

 実証事業では、駆け付けた救急隊が傷病者の同意を得た後にマイナ保険証から通院履歴や服薬情報をタブレットで閲覧。適切な搬送先病院を選定して的確な応急処置を行う。

 個人情報保護の観点から傷病者の情報は家族を含めて第三者には公開せず、車両内で資格のある隊員のみが閲覧する。

 同本部によると、従来は傷病者本人や家族から病院や薬の情報を確認していたが、覚えていなかったり、間違っていたりすることも多かったという。また苦しんでいる傷病者から情報を聞くことで負担をかけることもあった。

 同本部警防課の担当は「傷病者の正確な情報を得られることで迅速な病院選定や的確な応急処置、病院側の受け入れ準備、傷病者の負担軽減など多くのメリットがある」とし「救急の通報をする際はマイナ保険証を準備してほしい」と呼び掛けている。